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2006年07月13日(木) 00時00分

10年前のO157中毒、遺族の了解得られず慰霊碑処分ZAKZAK

 1996年夏に堺市で起きた病原性大腸菌O157による集団食中毒で、死亡した女児3人の慰霊のモニュメントを堺市が制作したが、遺族の了解が得られずに昨年末、廃棄処分にしていたことが分かった。

 モニュメントは「慰霊と誓いの碑」と名付け、追悼や再発防止の決意を刻んだ碑と、女の子3人の像を組み合わせたデザイン。地元の医師会などの要望で制作し、99年7月にほぼ完成した。費用は970万円。

 市によると、2遺族はデザインや市内にある府立大型児童館の敷地に設置することに同意。1遺族は明確な同意はなかったが、市は制作に踏み切った。

 だが女の子の像が、市の「健康づくり運動」の推進を兼ねたデザインだったため、遺族から「慰霊にそぐわない」と反対の意見が伝えられ、市はモニュメントを約6年間倉庫に保管した後、処分したという。

 堺市は「制作を始める時点では、全遺族に了解を得られたと思っていた。『早く建ててほしい』という遺族もいたため、急いで制作した」としている。

 集団食中毒をめぐり、市民団体が毎年追悼式を開き、今年から市が引き継ぐ予定だったが、遺族と合意できず、開催は未定となっている。

ZAKZAK 2006/07/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_07/t2006071337.html