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2006年07月13日(木) 00時00分

政府、宗教対立を懸念 イスラム過激派関与を慎重捜査 東京新聞

 【バンコク=平田浩二】インド西部ムンバイで起きた列車七本の同時爆弾テロ事件について、現地メディアは十二日、バッグなどに入った爆発物が始発駅で客車に置かれたとみられると報じた。捜査はイスラム過激派の関与を中心に進められているが、政府はパキスタンとの関係、イスラム教とヒンズー教の宗教対立の激化を懸念し、慎重な姿勢を見せている。

 爆発は、仕事帰りの乗客で混雑する午後六時すぎの約三十分間に連続して発生。二百人の死亡を確認、負傷者は七百人以上だという。周到な犯行手口や爆発の威力からRDX(ヘキソーゲン)など高性能爆薬が使われた可能性が高く、組織的犯行とみられている。

 AFP通信によると、州警察幹部は犯行手口から、パキスタンを拠点にカシミール地方のインドからの独立を目指し武装闘争を続ける「ラシュカレトイバ」周辺者の関与が濃厚と指摘した。ラシュカレトイバは関与を否定している。

 一方、ムンバイがあるマハラシュトラ州高官は、イスラム過激派の関与の可能性を伝える報道について「犯人に結びつく手がかりはまだ得られていない」と強調した。

 ムンバイでは九日、ヒンズー至上主義政党セブ・セナ創設者の親族の胸像に泥が塗られたことに怒った支持者が暴徒化し五百人が拘束されたばかりで、反イスラム感情の高まりを危惧(きぐ)している。

 ヒンズー教徒とイスラム教徒との流血の抗争はインドの不安定要因となっており、改善が進むパキスタンとの関係にも水を差しかねず、シン首相は無差別テロを非難しつつも犯行グループに関する言及は避け、国民に冷静な対応を呼び掛けた。

 また、各地で爆弾テロが起きる度に「テロリストを養成している」と指摘されるパキスタンのムシャラフ大統領も真っ先にテロ非難の声明を発表し、印パの対話失速や国際社会の批判に神経をとがらせている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060713/mng_____kok_____006.shtml