悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年07月12日(水) 01時26分

<トヨタ車事故>リコール放置で部長3人を書類送検 熊本毎日新聞

 熊本県警交通指導課と菊池署は11日、トヨタ自動車(愛知県豊田市)の人気RV(レジャー用多目的車)「ハイラックスサーフワゴン」の前輪操舵(そうだ)部品が破損する危険性を知りながら、リコール(回収・無償修理)などをせず人身事故を引き起こしたとして、同社の歴代の品質部長3人を業務上過失傷害容疑で熊本地検に書類送検した。リコール放置による送検はこれまで4例あるがトヨタは初めて。同社は「送検された3人に落ち度はなかったと考えるが、捜査には協力する」とのコメントを出した。
 書類送検されたのは、元トヨタ自動車品質保証部長で別会社の役員(62)▽トヨタ自動車リコール監査室長(58)▽同社お客様品質部長(55)。
 調べでは、3人は96年の社内調査で前輪にハンドルの動きを伝える部品「ステアリングリレーロッド」が強度不足で折れる危険性があることを知りながら、8年間にわたり対策を取らず、04年8月12日に熊本県菊池市隈府の県道で5人が重軽傷を負う人身事故を発生させた疑い。同社は事故後の04年10月26日、88〜96年に製造された同車約33万台についてリコールを届け出た。
 県警によると、リレーロッドが折れるとの情報は、92年から04年までに国内外のディーラーから同社に約80件寄せられ、物損事故も2件含まれていた。3人は「危険性を知っていたが人身事故が起きていなかったので、リコールをしなかった」と供述しているという。
 強度不足は、88年にフルモデルチェンジした際、前輪にかかる荷重が95キロ増えたのに従来と同じ部品を使っていたことから生じた。96年に社内調査で部品の強度不足が判明し強度を上げたが、既に販売した車については安全策はとらなかった。
 菊池市の事故は、熊本市の男性公務員(当時21歳)が93年式のハイラックスを運転中、リレーロッドが折れて操縦できなくなり、対向車線の菊池市の男性会社員(同32歳)の車と衝突。男性会社員と家族4人が全治50〜2日の重軽傷を負った。
 一方、トヨタによると、96年段階では不具合の発生状況や頻度などを判断し、リコールが必要とは判断しなかった。04年になって不具合の報告が相次いだことから同年7月から検討を始め、10月にリコールを届け出たという。
 国土交通省によると、トヨタがリコールを届けた際、報告したトラブルは11件で、県警が把握している約80件とは大幅に食い違っている。
 同省によると、リコール放置による業務上過失傷害容疑などによる立件は▽99年に滋賀県警が富士重工業のレガシィ▽02年に熊本県警などが三菱自動車のパジェロ▽04年に神奈川県警、山口県警が三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社化)の大型トラック——の計4件の例がある。【山田宏太郎】
 ▽ステアリングリレーロッド 自動車のかじ取り装置を構成する部品の一つ。操舵輪(通常は前輪)をハンドル操作に合わせて左右に動かすための連結棒で、より少ない力で操舵力を車輪に伝えることができる。そのため、リレーロッドが折れるとハンドル操作ができなくなる恐れがある。
(毎日新聞) - 7月12日1時26分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060711-00000090-mai-soci