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2006年07月11日(火) 21時18分

<廉価DVD>著作権の保護期間満了と販売認める 東京地裁毎日新聞

 オードリー・ヘプバーン主演の映画「ローマの休日」(53年公開)などの廉価版DVDの販売会社(東京都板橋区)に、米国の映画会社「パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション」が著作権を主張して製造・販売の差し止めを求めた仮処分申請について、東京地裁は11日、申請を却下する決定を出した。決定理由で高部真規子裁判長は「改正前の著作権法に基づき、03年末で著作権の保護期間が満了した」と述べた。パ社側は抗告する方針。
 映画の著作権保護期間は、04年1月1日施行の改正著作権法で、50年から70年に延長された。販売会社側は「53年の作品は03年12月31日で著作権が切れた」として05年10月ごろから廉価版を販売。パ社側は、文化庁の「12月31日午後12時と1月1日午前0時は同時のため53年作品には改正法が適用される」との見解に従い、「ローマの休日」と「第十七捕虜収容所」の廉価版について差し止めを求めた。
 高部裁判長は「著作権法は保護期間を年単位で定めており(53年作品の保護期間は)12月31日で満了した。改正法は1月1日時点で著作権が残っている(54年以降の)映画のみに適用される」と判断。文化庁の見解については「法的に誤っている」と指摘した。
 パ社は「決定を不服とし、知財高裁に取り消しを求める手続きを検討している」と述べ、文化庁著作権課は「決定が確定したわけではないのでコメントは控えたい」と話した。【高倉友彰】
 ◇違和感を感じる
 ▽キネマ旬報映画総合研究所・掛尾良夫所長の話 安価なDVDが出回ることは、映画界にとって歓迎すべき決定ではない。個人的にも、映画が文化というより消費財になっていくようで違和感を感じる。正規版の側には、映像のクオリティーを高めたり、メーキングや関係者のインタビューなど付加価値を高め、より魅力的商品を作る努力をしてほしい。
 ◇冷静な判断だ
 ▽著作権法に詳しい壇俊光弁護士の話 裁判所も著作権を保護しすぎる風潮の中で、法律の条文に従って冷静な判断をした決定だ。刑事罰もある法律の解釈は厳密にすべきで、文化庁の見解には無理があるのでは。
(毎日新聞) - 7月11日21時18分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060711-00000102-mai-soci