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2006年07月05日(水) 00時00分

謎のレスラーNHK救う? 謎の覆面レスラー、エル・ポポラッチ 東京新聞

 謎の覆面レスラーが主人公の「エル・ポポラッチがゆく!!」。NHKが放送する一分間のドラマだ。各話のラストには「思わず見てしまう」「裏も表もない」などとNHKから視聴者へのメッセージ。要は、不祥事で傷ついたイメージの回復を図るNHKの“宣伝番組”だが、番組表にも出ないゲリラ風の放送に加え、不思議な味わいの作風が若い視聴者の心をとらえたようだ。「NHKらしくない」と評判を集めるミニドラマとは…。 (小田克也)

 「エル・ポポラッチがゆく!!」は、照れ屋の覆面レスラー、エル・ポポラッチ(通称エルポポ)と、プロレス好きな町の人たちとの触れ合いを描いている。

 ナンセンスドラマ風の味付けで、一分間の放送にもかかわらず出演者の顔ぶれは豪華。エルポポが恋するヒロインに鈴木京香、プロレスジムのオーナーに鹿賀丈史、同じジムに所属するカリスマレスラーに的場浩司、バーガー屋の店員に中越典子、小料理屋のおかみに南海キャンディーズのしずちゃんらを起用。エルポポを誰が演じているのかは「内証」とされている。

 NHKが、局の宣伝用ドラマを放送するのは初めて。全五話のシリーズで、脚本は、NHKのバラエティー番組などを手掛けている大宮エリーさんが担当。三月下旬から五月中旬にかけ、深夜を中心に、通常の番組の合間の広告枠を使って、散発的に流した。現在、未放送の一話を加えて再放送されている。

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 NHKは一連の不祥事を受けて昨秋、改革プランを発表。職員の間にも、従来のNHKの印象を壊すような斬新なドラマをつくろうとの機運が広がった。

 ドラマ、編成などの二十代、三十代の職員十数人が知恵を絞った結果、NHKのイメージとは程遠い「プロレス」を取り上げることにした。大みそか、紅白歌合戦に対抗して民放が格闘技番組を放送していることも“ヒント”になったらしい。

 番組ホームページにはこれまでに、約四十万件を超えるアクセスがあり、千通以上のメールが寄せられている。大半は三十歳以下の若者。予告もなく唐突に始まる型破りな手法のため、視聴者が面食らうことも予想できたが、おおむね好意的な反応で、中には「受信料を払っていてよかった」という声もあったという。

 民放関係者からは「われわれにとって番組の合間の広告枠は、大事な収入源。局の宣伝CMを流すくらいならスポンサーに買ってほしい。一分間ドラマはNHKだからできること」と、やっかみ半分の分析も聞かれる。

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 NHKでは、四月に職員のカラ出張問題が発覚。一方で、最近まで政府・与党によるNHK改革論議が続き、NHKとしては胃の痛い日々が続いていた。そんな状況下だっただけに、一分間ドラマの好評は久々の朗報。

 とくに、全般的に視聴者の平均年齢が高く、若い視聴者の獲得が局にとって長期的な課題だっただけに、若者から支持されたことは、うれしい誤算でもあったようだ。

 当初、放送に慎重だった局上層部も、好評を受けて続編制作にゴーサインを出した。七月下旬からは、新シリーズ(全五話)の放送が始まる予定だ。さて、エル・ポポラッチはNHKの好感度アップの立役者になれるか−。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060705/mng_____hog_____001.shtml