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2006年07月04日(火) 00時00分

老舗ブランド「ミキモト」が輝きを失ったワケZAKZAK

お家騒動の裏…経営陣は「宝石の素人」ばかり

 「なぜ(架空売り上げが)起きたか? そりゃ簡単だよ」。ある同社OBは、そう吐き捨てる。

 架空売り上げは実際には売れていない商品を売れたように見せかける手口で、東京・銀座の本店の社員約30人が関与。粉飾額は、平成12年から16年で計13億6600万円にのぼった。同時期本店にあった数千万円分の商品も、所在不明になっていたという。

 「発端はバブル絶頂期、最高益の37−38億円をあげたころだった」と、このOBは振り返る。社内で「加賀町さま」と呼ばれる人物がいる。創業者の真珠王・御木本幸吉氏の孫で3代目社長の未亡人、澄子氏がその人だ。

 「この加賀町さまが、なぜか当時の杉田勝時社長ら経営陣に退任を迫った」(OB)。代わって社長に抜擢(ばってき)したのが、澄子氏のめいの婿、豊彦氏。ところが、元商社マンの同氏は「宝石には素人」(同)だった。

 バブル期のミキモト本店といえば、若い女性の憧れのブランドで同じ4丁目交差点にある和光、ティファニーとともに「黄金のトライアングル」とも言われた。

 「ミキモト本店といえば、ピーク時の年間の売り上げが110億円のお化け店舗。ところが豊彦氏は、若く実力もない社員のM氏を役員に登用、店長に据えたのです」とは、別の元社員。ほかの取締役も銀行出身者らが占めたという。

 折あしくバブル崩壊。「売り上げが落ちる中、M氏は架空売り上げに手を染めた。素人ばかりの経営陣で商品の質も落ち、皇室をはじめ得意先も離れていった」(同)

 だが3年前、豊彦氏について怪文書が流れ、豊彦氏が解任される。「一族出身の妻は病死したが、豊彦氏には別の親しい女性がおり、一周忌を終えると、すぐにこの女性と結婚したため、加賀町さまの逆鱗に触れた」(同社関係者)

 架空売り上げは社内で噂になり、昨年、売掛金(代金未回収の売り上げ)台帳の調査を行ったところ、政治家の名前を借りた架空売り上げなどが発覚。取締役だったM氏は退任したが、退職金も受け取り、不祥事は表沙汰にはならなかった。

 「しかも、不正を知りつつ判を押していた元経理部長の社長が昨年11月、会長になった。後任の社長は日産から来た人物。加賀町さまと懇意な椎名武雄・日本IBM最高顧問が選んだようですが、社員はしらけてますよ」(元社員)

 海外有名ブランドの進出著しい宝飾業界にあって、表向きには昨年末、銀座に新ビルもオープンさせるなど、順風満帆に見える。だが、その新ビルも人影まばら。「若向けのブランドも立ち上げたが、パッとしない。真珠は今流行しているのに、中高年にはともかく若い人には遠いブランドですね」とは、あるファッション関係者。

 本店の売り上げは、60億円まで下落。輝きはもはや戻らない、か。

ZAKZAK 2006/07/04

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_07/t2006070433.html