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2006年07月01日(土) 03時31分

<O157検査>加工中で有効性疑問 堺・ずさん手続き毎日新聞

 10年前に起きた病原性大腸菌O157集団食中毒事件を機に堺市が導入した学校給食の食材へのO157検査で、一部の食材製造業者が加工途中の食材を検査に出して合格し、納入していたことが分かった。食材のO157検査は、96年11月に同市が給食を再開する際、保護者の不安を取り除くために導入されたが、加工後の検査でないと有効性が損なわれる。少なくとも2業者が3〜4年前から加工中の段階で検査に出していたとみられ、市は是正を指導した。また、市は検査結果書類の点検を強化するとともに、検査方法を再検討して2学期までに業者に周知することを決めた。
 田中丈悦(たけよし)市議(堺・美原市民ネット)らの指摘で市が調査して判明した。
 市などによると、市が2カ月ごとに学校給食の献立を作成し、献立に応じた食材の購入を外郭団体の「堺市学校給食協会」に委託する。協会は保護者や市職員、調理担当者らからなる「物資選定委員会」を開いて食材ごとに納入業者を選定。業者は、委員会が選んだ一部食材についてO157検査を義務付けられる。
 実際に検査をするのは、納入業者から発注を受けた食品製造業者。食材を加工後、袋詰めする前に一部を抜き取り、公的機関などに検査に出す。しかし、大阪市の業者は今年2月、ベーコンの塊をスライス後、小片に切り刻む工程の前に検査に出していた。このベーコンは7日間に分けて延べ105校に納入された。また、長崎県の業者も同月、2種類の鳥肉を刻んだ後、これらを混合する前に検査に出していた。6日後に検査結果が出てから混ぜ合わせ、11日間に分けて延べ147校に納入された。
 加工途中で検査しても、その後の工程で細菌が混入する可能性があるため、協会は「(加工後の)袋詰め前」に検査するよう指示していた。しかし、詳細な規定がなかったため、業者が誤って解釈していたという。同市の給食食材は約720業者が作っているが、現在のところ他の業者で加工中に検査した例はないという。
 堺市では96年7月、学校給食を食べた児童ら約9500人がO157に感染し、3人が死亡。給食再開時、保護者の不安を除くために食材のO157検査が導入された。【稲垣淳】
(毎日新聞) - 7月1日3時31分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060701-00000016-mai-soci