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2006年06月26日(月) 00時00分

離島丸ごとIT化 衛星回線で高速通信網 東京新聞

 通信衛星を運営するJSATは二十六日、衛星回線を使い東シナ海に浮かぶトカラ列島の小宝島(鹿児島県十島村)の全世帯に、ブロードバンド(高速大容量)通信を低コストで提供する初の実験を、七月から鹿児島大学の学術情報基盤センターと共同で始めることを明らかにした。

 回線を複数の世帯で効率的に利用し、一世帯当たり毎月五千円以下の料金で高速回線の常時接続を可能にするシステムの構築を目指す。離島や山間部など規模が小さい集落は、光ファイバーなど地上回線では採算を取るのが困難。鹿児島大の升屋正人助教授は「今回の実験は情報技術(IT)過疎の解消に道を開く」と話している。

 小宝島は人口約五十人で、うち五十歳未満が三十人。実験では島内の全世帯をLAN(構内情報通信網)で結び、衛星を通じて約二百七十キロ離れた本土とインターネット接続できるようにする。アナログ電話回線しかない面積わずか一平方キロメートルの島に、一気にIT環境を整える。

 実験は七月一日にスタート。各家庭でのネット利用をはじめ、テレビ電話、通話料金が安いIP電話などブロードバンドを生かした通信サービスを体験してもらう。島内には中学校までしかなく、卒業後は島外に進学するのが一般的。テレビ電話が手軽に利用できるようになれば、進学や就職などで島外に転出した家族らの顔を見ながら通話を楽しむことが可能になる。安定した通信環境の確保、IT化のための費用などを二〇〇八年度末まで順次調査する。

 JSATによると、一つの島全体を巻き込む実験は初めて。政府は一〇年度末までに全世帯でブロードバンド通信を利用できるようにすることを目指しており、過疎地対策となる衛星実験はこの目標達成のためにも成果が期待されている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060626/eve_____sya_____001.shtml