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2006年06月24日(土) 17時11分

悪魔の詩 翻訳者殺害…手がかりなく、時効まで2週間余毎日新聞

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事件について語る五十嵐さんの妻雅子さん    イスラム教を冒とくしたと議論になった小説「悪魔の詩」の翻訳者で筑波大助教授だった五十嵐一(ひとし)さん(当時44歳)が殺害された事件は、7月11日午前0時に15年の時効となる。有力な手がかりはなく、事件は多くの謎が残されたまま。時効成立まで2週間余となった五十嵐さんの妻雅子さん(58)は「少しでも新たな情報がほしい」と訴えている。【三木幸治、栗本優】
 五十嵐さんは91年7月11日夜、茨城県つくば市の筑波大構内で殺害された。研究室のある7階エレベーターホールで鋭利な刃物で首など十数カ所を切られた遺体が見つかった。現場には五十嵐さんとは別のO型の血痕や中国製カンフーシューズの足跡(サイズ27.5センチ)が残っていた。県警は外国人の犯行の可能性もあるとみて調べたが、目撃証言や物証が少なく、捜査は難航した。
 今年に入り、元CIA(米中央情報局)のケネス・ポラック氏が著作「ザ・パージァン・パズル」の中で「(五十嵐さんは)イラン革命防衛隊によって暗殺された」と指摘していることが分かった。同防衛隊はイランに三つある軍隊の一つで、反体制派やテロ組織の壊滅が任務といわれる。この本の日本語版は7月12日に小学館から出版される。県警もこの情報を把握しており、仮に犯人が国外に逃亡している場合はその期間だけ時効が延びる。
 毎年7月に五十嵐さんの回想会を開いてきた雅子さんは「夫は二十数カ国語を話す博学で行動的な人だった。事件を風化させたくない」と訴えている。
 ▽悪魔の詩 英国人作家、サルマン・ラシュディ氏が88年に出版した小説。当時、イランの故ホメイニ師は「マホメットとイスラム教を冒とくする内容だ」と批判、著者に死刑を宣告した。91年7月3日には同小説のイタリア語版翻訳者が「イラン人」を名乗る男に頭などを刺され重傷を負う事件も起きた。
(毎日新聞) - 6月24日17時11分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060624-00000020-maip-soci