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2006年06月19日(月) 00時00分

通信との融合、各局が模索 テレ東 ネットショップと業務提携 東京新聞

 テレビ各局で「放送と通信の融合」を模索する動きが進んでいる。インターネット上のショッピングへの進出、携帯電話で視聴できる「ワンセグ」を使った戦略…。ビジネスとして成立するのかどうか未知数ではあるものの、さまざまなアプローチが試みられている。現状を探ってみた。 (藤浪繁雄)

 テレビ東京は、インターネットのショッピングサイト運営会社「ノーウェイ」(東京都港区)と業務提携。放送とネットを連携させたネットショッピング事業に乗り出した。

 「Let’s Go!スーパーショッピングサイト」と題したホームページ(HP)上には、特定の街の地図が表示され、ユーザーは画面上を“散策”しながら、実在する店舗に立ち寄ったり、ほしい洋服や雑貨などがあれば、買い物もできる。「原宿」「下北沢」「代官山・恵比寿」の各サイトが既にオープンしている。

 同局ライツ事業部の長田隆さんは「テレ東は旅やグルメ、街を扱った番組が強いので、この提携には期待が大きい」と話す。HPについて「ブランド化した街に視点を置いた着眼点が好評のようです。番組と結びつける動きも出ている」とし、現在は木曜深夜に“リンク番組”「下北沢物語」も始まった。HP上にも今後、ハワイ、自由が丘、銀座、吉祥寺など、人気スポットやおしゃれな街が続々と登場する予定だという。

 まだ、ビジネスとして成立するかは不明だが、長田さんは「地方(業者)から賛同の声が上がっている」と好感触を得ているようだ。「(旅やグルメなどの)番組の二次利用と絡めたり、模索を始めている。まずは二−三年で利益を出したい」と話す。

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 今月、NTTドコモと組んで、ワンセグ放送と、電子決済などが可能な「おサイフケータイ」との連携を試験的に始めたのはフジテレビ。

 同局のアイドル番組「恋するフットサル」(土曜深夜)をワンセグ対応の携帯電話で見た視聴者が、所定のポイントをためて応募すると、七月に予定されるアイドルのフットサル(5人制サッカー)イベントでの特典が抽選で当たる。当選者は会場で、ワンセグ機種を読み取り機にかざして認証を受ける。

 視聴から特典への応募、イベント会場での認証機能まで、一連の流れをスムーズにできるかテストを兼ねて実践している。実験は七月まで続けるが、同局モバイルコンテンツ部は「今後は(携帯電話の)情報セキュリティーの高さや決済機能をもっと利用し、放送とリアルに結ぶサービスを考えたい」と話す。

 日本テレビは今月一日から、ゲーム機として人気の「プレイステーション・ポータブル」(PSP)向けに、ニュースを有料配信する「日テレNEWS24 Portable」を始めた。PSPへ映像をダウンロードするサービス「Portable TV」に、ニュース番組は初めて。同局が運営するネット「第2日本テレビ」などと連携し、一日三回更新される「定時ニュース」や専門性の高い「ビジネス・ニュース」を中心に配信している。

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 「融合」の取り組みは成功するのだろうか。メディア評論家の正木鞆彦さんは「どれも小手調べの印象。本腰を入れて、新しいメディアを立ち上げようという気構えがない」と指摘。成功する条件として「視聴者の『ただで見る』という習慣に逆らわない形」を前提に挙げる。

 無料の動画配信サービスを核に、HP、ブログ(ネット上の日記的な読み物)などメディアの複合が重要性を増す、とした上で「局側とネット側が話し合っているだけでは、融合のイメージは出てこない」と、消費者を話し合いの中核に据える必要性を説く。

 そのような模索を重ねた末、「視聴者に『えっ、テレビってこんなこともできるの?』と新鮮な驚きを与えることができる」と正木さん。その先に成功が見えてくるというのだが…。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060619/mng_____hog_____000.shtml