2006年06月15日(木) 13時03分

シ社エレベーター、不具合４２１件　本社調査（朝日新聞）

　東京都港区で高校生が挟まれて死亡したエレベーターを製造したシンドラー社の製品が、全国で４２１件の閉じ込めなどの事故や不具合を起こしていたことが分かった。各都道府県が把握しているデータを朝日新聞が１４日現在でまとめた。集計中の自治体もあり、件数はさらに増えそうだ。同社は安値入札を武器に官公庁で実績を伸ばしているが、自治体の中には指名停止を検討する動きも出始めている。

　事故や不具合があったのは３３都道府県の２１８基で計４２１件。現時点で最も多いのは静岡県の７８件で、長崎県の６０件が続く。残りの１４県は「集計中」「報告がない」などとしている。東京は死亡事故のあったマンションを含め３５件だった。

　閉じ込めの具体的な事例としては、滋賀県栗東市の県営住宅で今年５月、降下中のエレベーターが突然停止し、乗っていた乳児や小学生ら５人が１時間後に救出された。静岡市の県営住宅でも３０代の女性が携帯電話で救助を求め、５０分後に助け出されている。

　一家が転居を余儀なくされる閉じ込めがあった茨城県では、シンドラー社に対し指名停止も含め厳しい対応をとる構えをみせている。

http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY200606140832.html