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2006年06月14日(水) 00時27分

シンドラー社、住民説明会に出席 本部責任者は姿見せず朝日新聞

 東京都港区の公共住宅で起きたエレベーター死亡事故で、製造元のシンドラーエレベータ(東京都江東区)幹部が13日夜、初めて住民説明会に出席。2時間半以上にわたって住民への対応の遅れについて謝罪を繰り返した。だが、来日している本部の責任者は姿を見せず、「責任のある立場の人が謝罪すべきだ」といった不満の声も出た。

港区役所を訪れ武井雅昭区長(右)に対応の遅れを謝るシンドラーグループのエレベーター部門最高責任者のヘス氏(中央)=13日午後、東京都港区で

 説明会に出席したのは、日本法人のケン・スミス社長。来日中で前日の記者会見には出席したスイス本部エレベーター・エスカレーター部門のローランド・ヘス最高責任者は同席しなかった。

 冒頭、スミス社長が約50人の住民に向かって、情報の開示が遅れたことと初期対応の悪さを謝罪し、頭を下げて1分間黙祷(もくとう)した。だが、住民からは「なぜ、ヘス氏が出席しないのか」「今ごろになって、なぜ出てきたのか」といった質問が出たという。

 スミス社長は「私はヘス氏から全権を委任されて来た」と回答。これに対して、説明会後の会見に同席した武井雅昭区長は「住民に直接お話しした方がよかった」と批判した。

 説明会ではこのほか、同社製エレベーターの事故が多いことなどへの質問も出た。

 スミス社長はまた、同日昼に事故現場を訪れた時の印象を「1人の命が失われたことを重く受け止めた」と話した。遺族との面会を断られたことについては「お会いした上で、どんなに苦しんでいらっしゃるかを察した上でお悔やみを申し上げたかった。また再度伺いたい」と話した。

 事故以来、ほとんどエレベーターを使っていないという50代の女性は「通り一遍の答えしかなく、心がこもっていない。こんな人たちがつくったエレベーターに乗っていたかと思うと改めて怖くなった」。

 30代の男性は「マスコミにうるさく言われたから来たというだけ。区長とは会うのに住民とは会わないというトップの態度ににじみ出ている」と話した。

 住民説明会に先立ってシンドラー社幹部は同日、事故現場を訪れ、献花した。

http://www.asahi.com/national/update/0613/TKY200606130709.html