2006年06月14日(水) 22時01分

＜ネット殺害依頼＞５０歳長男と孫に懲役刑　長野地裁判決（毎日新聞）

　長野県松本市、無職、野本力さん（当時７６歳）が殺害された事件で、インターネットを通じて殺害を依頼したなどとして殺人罪に問われた長男の無職、野本富貴（５０）と、孫の無職、野本享孝（みちたか）（２５）両被告の判決が１４日、長野地裁であった。土屋靖之裁判長は、富貴被告に懲役２０年（求刑・無期懲役）、享孝被告に同１３年（求刑・懲役１７年）を言い渡した。「財産目的で自らの生活のために父や祖父の命を奪うことも意に介さず、利欲的で身勝手極まりない動機に酌量の余地はない」と断じた。
　殺害を実行したとして殺人罪などに問われた茨城県土浦市、元派遣社員、片山直哉被告（３６）には、求刑通り無期懲役が言い渡されている。
　判決によると、富貴被告は昨年１２月、ネットの掲示板に「半殺し５０万円、殺したら１００万円、年内達成なら倍額」などと書き込んだ。面識のない片山被告が「一人で悩まずご相談を。何でもします！」と応じると、テレビ時代劇「必殺仕事人」の主人公の名を出し「中村主水（もんど）さんの職できますか」「狙い目は事故で痛めた首」などと力さん殺害を依頼。片山被告は１２月３０日午後、力さん宅に侵入しハンマーで頭を殴って殺害した。事件前後に支払われた報酬２００万円は、享孝被告が用意した。
　事件前、依頼側の２被告と片山被告は全く顔を合わさず、「着手金」５０万円は駐車場に置いてやりとりした。事件後１５０万円を渡す際に、片山被告と富貴被告が初めて対面したという。
　片山被告は東京都目黒区、無職、西川知里被告（２１）＝殺人予備罪で公判中＝から弟殺害の依頼を４０万円で引き受け、実行しようとした殺人予備罪にも問われた。【江連能弘、光田宗義】

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