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2006年06月11日(日) 03時07分

<エレベーター事故>公社が故障内容を保守点検業者に伝えず毎日新聞

 東京都港区のマンション「シティハイツ竹芝」で都立高2年の市川大輔(ひろすけ)君がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、このエレベーターが04年11月にブレーキ故障を起こした際の調査内容を、管理者の「港区住宅公社」が、その後、点検を請け負った業者に伝えていなかったことが分かった。今回の事故でも、かごの昇降を止めるブレーキパッドの劣化が事故原因の焦点になっている。メーカーや保守点検業者に加え、同公社にも管理責任という問題が浮上した。【宮川裕章、鈴木泰広】
 事故機のエレベーターは04年11月6日、1階で扉が閉まったままの状態で止まった。翌日には隣の別のエレベーターが扉を開けたまま停止した。たび重なる故障に、港区住宅公社は製造元で保守点検も請け負っていた「シンドラーエレベータ」(江東区)に原因調査を依頼した。
 約10日後、同社が住宅公社に提出した報告書には、事故機の故障について「ブレーキ作動不具合により停止。再調整後、正常に運転を確認。今後このようなことがないよう、一層の注意を払って点検させていただきます」などと書いていた。
 保守点検はその後、05年度は「日本電力サービス」(多摩市)、06年度は「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)が請け負った。しかし、04年11月の報告書をはじめ、22件発生したトラブルについて、公社は後任業者にほとんど伝えなかった。シンドラー社も文書などでの引き継ぎはしなかった。
 毎日新聞の取材に、日本電力サービスは「事故機はやや故障が多いと担当者が聞いただけ」、エス・イー・シーエレベーターは「公社を通じ伝えられた前任会社からの不具合のリポートは3件だった」と話している。住宅公社は「口頭で引き継ぎを指示はしたが、実際に行われたかは最終確認していない」と認めた。
 また公社幹部は「契約期間中に修理をして解決した不具合を、新しい業者に引き継ぐ必要はないと判断していた」と打ち明けた。ある保守点検業者は「トラブルの引き継ぎを業者任せにすること自体、管理者の責任放棄だ」と批判している。
(毎日新聞) - 6月11日3時7分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060611-00000009-mai-soci