2006年06月10日(土) 16時02分

シンドラー社エレベーター：県営住宅で“閉じこめ”１７件−−過去２年間で　／長崎（毎日新聞）

　◇大半は県への報告なし−−長崎市、市有施設を緊急点検
　東京都内のマンションのエレベーターで高校生が死亡した事故で、製造会社「シンドラーエレベータ」製のエレベーターが設置された県内の県営住宅で、内部に人が閉じこめられるトラブルが過去２年間で計１７件起きていた。大半はトラブル直後に県へ報告がなく、９日に会見して発表した県の担当者は「事故報告を義務付けることも検討する」との考えを示した。【山下誠吾、徳野仁子】
　県住宅課によると、１７件の内訳は、女の都（長崎市）１件▽横尾（同）１０件▽磯道（同）１件▽黒髪（佐世保市）２件▽天神（同）３件。原因はセンサーなどの機器類の故障が多いという。
　１７件はシ社が７〜８日に県に報告した。このうち４月の黒髪団地の１件を除き、事故直後の県への報告はなかった。県営住宅にはエレベーターが計１６４基設置され、うち３３基がシ社製という。
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　相次ぐエレベータートラブルを受け、長崎市は市内のエレベーター２８４３基すべての安全確認に乗り出すことを決め、９日、市有施設１５０基について緊急点検を始めた。民間の建物にある２６９３基についてもトラブルがないか確認する。
　９日は建築士の資格を持つ職員ら９人が、市営団地など３９基を点検した。巻き上げ機に異常に多くの油が付いていないか▽運転に伴う異音がないか——を中心に目視や耳で確認したという。
　同市によると、シ社製のエレベーターは、市有施設では使われていない。一方、民間の建物には２２基使われているが、トラブルの報告はないという。市はシ社以外を含むすべてのエレベーター設置者に点検を要請し、トラブルの有無の報告を求める。

６月１０日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060610-00000141-mailo-l42