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2006年06月10日(土) 15時48分

「埼玉宣伝」全国駅伝、部下が断った 相談なく知事激怒朝日新聞

 埼玉県で毎年2月に開かれていた全日本大学女子選抜駅伝の開催を、県と県警の事務担当者が、トップの上田清司知事や加地正人本部長に相談しないまま断った。県を挙げて支援した催しなのに、交渉の蚊帳の外に置かれた知事らは激怒。主催する日本学生陸上競技連合(学連)に謝罪文を書き、改めて開催を申し入れるなど「引き留め」に躍起だが、学連は代替地の茨城県つくば市と最終交渉に入っており、翻意は厳しい状況だ。

 女子選抜駅伝は04年に始まり、これまで3回行われた。前知事の土屋義彦氏が「埼玉に全国的スポーツイベントを」と、学連と交渉して実現した。テレビ東京系での放送もあり、県警も毎年300〜400人が出て交通警備などに協力してきた。

 学連などによると、昨年7月、学連の担当者が県警にあいさつへ行った際、県警の担当者が「コースは目抜き通りで交通量も多い。警察官も人手が足りず、警備に回せない」と県外で開催するよう促した。

 その後、学連側は、埼玉での開催を再考してもらおうと、県教育局や県警に幹部への面会を希望したが断られたという。学連は3月の理事会で、つくば市での実施を決めた。

 上田知事は4月になって開催見送りを知り、「全国アピールの機会を逃した」と報告がなかったことに激怒した。

 その後、知事、県教育長がともに学連に文書で謝罪し、担当者が数回学連を訪れて翻意を促したが、学連側は「つくば市にお願いし、市や茨城県の承諾も得ている」と困惑顔だ。

 県警交通規制課は「県外開催が正式決定した時点で本部長に報告するつもりだった」、県スポーツ振興課は「どうすべきかを上に相談すべきだった。申し訳ない」と話している。

 上田知事は「現場レベルで判断できる問題ではないのに、私や本部長に伝わらなかったことは残念だ。つくば市がダメなら、ぜひ、受け入れたい」と話している。

 学連の関岡康雄専務理事は「埼玉には、長年お世話になっただけに残念だが、若手育成のため別の場所で大会を続ける」と話している。

   ◇

 〈キーワード・全日本大学女子選抜駅伝〉 さいたま市浦和区の県庁前をスタートし、北本市で折り返して上尾運動公園陸上競技場にゴールする6区間30キロのコース。秋にある全日本大学女子駅伝の上位校と各地区の選抜チーム計20校で争う。過去3回は立命館大が3連覇。大学女子駅伝では数少ない全国大会の一つ。

http://www.asahi.com/national/update/0610/TKY200606100233.html