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2006年06月09日(金) 00時00分

進まぬ対応にいらだち エレベーター事故朝日新聞

 港区のエレベーター死亡事故の波紋は8日も広がった。「シンドラーエレベータ」社製がある八王子市の多摩ニュータウンでも、昨年から「中に閉じこめられた」などのトラブルが相次いでいたことが分かった。また、前夜に警視庁の家宅捜索を受けた同区や区住宅公社は、「シティハイツ竹芝」で緊急に住民説明会を開き、状況を説明した。

 港区は8日、事故があった公共住宅「シティハイツ竹芝」で住民への報告会を開き、前日に区と区住宅公社が警視庁の家宅捜索を受けたことについて報告した。「一日も早くエレベーターを替えて欲しい」と願う住民たち。「区の対応が進んでいない」と不満の声も聞かれた。

 非公開で行われた報告会の後、取材に応じた公社の広井誠一郎事務局長らによると、住民約50人が参加し、武井雅昭区長と助役の永尾昇・区住宅公社理事長が捜索を受けたことを陳謝した。

 住民からは「02年か03年に、10階から2階までエレベーターが落下したことがある」「今年2月にエレベーターが6日間止まった」と指摘があったという。公社は把握していないとして、当時の管理業者に問い合わせて調べる、と回答した。

 参加した女性(42)は「区や公社が(すべてのトラブルを)把握していないのはおかしい。話が全然進んでおらず、つらい」と漏らした。

 関係者によると、区は今後、財団法人日本建築設備・昇降機センターに、事故のあったエレベーターと同機種のコンピューターソフトの調査を依頼する方向という。また、第三者をふくめた調査組織を立ち上げ、公社から区に報告がされてこなかったことなどを検証し、事故に至った原因を究明する方針だ。

 区内でシンドラー社のエレベーターを設置している民間施設を調査し、管理者に安全点検の結果を報告するよう求めるという。

    ◇

 港区は8日、区の施設にあるシンドラー社製エレベーターの設置状況を公表した。施設は以下の通り(カッコ内は基数)。

 障害保健福祉センター(3)▽シティハイツ竹芝(2)▽港資源化センター(1)▽サン・サン赤坂(2)▽こうなん保育園(1)▽高齢者集合住宅「ピア白金」(1)▽同「フィオーレ白金」(1)▽台場高齢者在宅サービスセンター(1)▽赤坂図書館(1)

都営・公社住宅370基を都調査
昨年度の不具合、計131件

 都は8日、港区で死亡事故が起きたシンドラー社製エレベーターを使用する都営住宅と公社住宅についての調査結果を公表した。計370基で昨年度1年間に起きた不具合は計131件だったが、「同様の事故につながるような重大事案はなかった」という。

 131件の内訳は、利用者のいたずらや扉の溝への異物混入で停止するなどした「乗り方不良、管理不良」が55件。地震や大雨で停止した「自然災害等」が45件。ヒューズ溶断やブレーキ調整不足などの「機器不良」が31件。ただし、扉が開いたまま動き出したような例はなかったという。

 利用者が閉じこめられたケースは8件あった。うち2件はスイッチ内にゴミが詰まるなどしており、残り6件は子どもが跳びはねるなどしたためだったという。

 都は、「他社製のエレベーターでも起こりうる内容で、都営、公社住宅についてはシンドラー社製が特に危険だとは言えない」と説明した。同社には今月末までに370基すべてを点検するよう求めている。

 事故機と同じ安全装置が使われていた都営百人町三丁目アパート2号棟(新宿区)の1基は、7日夜の緊急点検で異常はなかったが、都は「さらなる安全を確認するため、当面の運転は停止する」としている。

 都によると、この370基を含め、都内には同社製エレベーターが約1700基ある。都は区市町村を通じて、今月末までに全基の不具合調査や緊急点検を行う方針だ。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000606090001