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2006年06月09日(金) 21時44分

ダスキン肉まん事件、旧経営陣に賠償命令 大阪高裁朝日新聞

 ダスキン(大阪府吹田市)が運営する「ミスタードーナツ」で無認可添加物入りの肉まんを販売し、106億2400万円の損害を会社に与えたとして、元社員が旧経営陣を相手取り、同額をダスキンに支払うよう求めた株主代表訴訟の控訴審判決が9日、大阪高裁であった。小田耕治裁判長は「問題の肉まん販売について取締役会で公表しない方針を決めたことは隠蔽(いんぺい)にあたる」と述べ、千葉弘二・元会長ら役員11人の注意義務違反を認定。元社長だけの責任を認めた一審・大阪地裁判決を変更し、連帯して総額5億5805万円を支払うよう命じた。

 原告弁護団によると、企業の経営陣に対し、自社に不利益となる情報についても公表義務があることを明確に認めた判決は極めて異例という。

 判決によると、上田武・元社長らは01年11月の取締役会で、国内で使用が認められていない酸化防止剤が混入した肉まんがミスタードーナツで販売されたことについて協議。直接販売にかかわった別の役員2人(一審敗訴、大阪高裁に控訴中)の処遇などを決めただけで、公表しない方針を決めた。

 判決は、食品を扱う企業として「安全性に疑問がある食品を販売したことが判明した場合、消費者に公表して商品の回収に努めるべき社会的責任がある」と指摘。上田元社長はこうした責任を果たさず、千葉元会長はそれを事実上黙認したと認定した。

 そのうえで、取締役会で決めた非公表方針について、「消極的な隠蔽と言い換えることができ、経営者責任を回避して問題を先送りしたにすぎない」と批判。問題の肉まん販売に直接関与していない残りの9人についても「公表しないことを当然の前提として了解していた」として過失責任を認めた。

 04年12月の一審判決は「非公表の方針決定と会社の損害との間に因果関係があるとは認められない」と判断したが、控訴審判決は「消費者の信頼を回復するために自ら進んで公表していれば、相当程度の損害を回避することができた」とした。

 〈ダスキン広報室の話〉 現段階ではコメントを差し控えたい。

http://www.asahi.com/national/update/0609/OSK200606090086.html