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2006年06月09日(金) 06時17分

2年前の故障、管理会社に伝わらず エレベーター事故朝日新聞

 東京都港区の公共住宅で、都立高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、2年前にこのエレベーターが急停止するトラブルがあり、製造元の「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)が、住宅を管理する港区住宅公社に「原因はブレーキの不具合」とする報告書を提出していたことが分かった。同住宅のエレベーターでは当時からトラブルが頻発していたが、多くはメンテナンス会社に引き継がれていなかった。警視庁は、同公社が業者間の引き継ぎを十分に行わなかった結果、重大な不具合を見逃した疑いもあるとみて慎重に調べている。

 ブレーキの不具合が確認されたのは、04年11月6日。事故機が急停止したため、同公社が、当時メンテナンスも手がけていたシンドラー社に点検を求めたところ、「ブレーキの接触に不具合があった」とする報告書を提出したという。

 ブレーキは、エレベーターのかごを上下させる巻き上げ機のモーターに取り付けられている。モーターのドラムを挟み込んで止める構造になっている。

 同住宅のエレベーターでは不具合が相次いでおり、03年以降だけで40件以上確認されている。

 事故機を含むエレベーターのメンテナンスについては04年度まではシンドラー社が担っていたが、05年度は「日本電力サービス」(同多摩市)、06年度は「エス・イー・シーエレベーター」(同台東区)が順に受注した。

 しかし、04年のブレーキの不具合を始めとしたトラブルの大部分について、後にメンテナンスを請け負った会社には引き継がれなかったという。

 一方、今回の事故後に捜査1課が事故機のブレーキ部分を調べたところ、本来付着してはならない油が付いていたことが分かった。近くのワイヤから飛んだ可能性があるといい、この油がブレーキの性能に影響を与えた疑いもあるとみて、同課はメンテナンスに不備がなかったか、関係者から事情を聴いている。

http://www.asahi.com/national/update/0609/TKY200606080387.html