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2006年06月08日(木) 22時29分

<エレベーター事故>シンドラー社のトラブル、130件毎日新聞

 東京都港区のマンションで高校生が死亡したエレベーター事故に絡み、「シンドラーエレベータ」(江東区)が製造したエレベーターのトラブルが少なくとも17都道府県で約130件、判明していることが毎日新聞のまとめで分かった。今月3日に発生した死亡事故を受け、再点検の動きが各地で広がっている。
 毎日新聞の全国の支局などが地方自治体や公共機関などに取材した情報を集約した。それによると、シンドラー社製エレベーターのトラブルが判明しているのは北海道、埼玉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、福岡県などにある公営住宅や公共施設など。トラブルとして把握された総数は約350件で、このうち「ごみ詰まり」など電気・機械系統の不具合でないことが明らかなものを除くと約140件だった。
 福岡市の福岡中央公共職業安定所では95年、エレベーターが1階から5階に急上昇した後、地下1階まで一気に15メートル下降するトラブルがあった。けが人はなかったが、このエレベーターは99年にも2階と3階の間で停止する不具合を起こしていた。京都市の京都府立植物園の植物園会館では今年4月8日、扉が開かず7人が約30分にわたって閉じ込められた。原因不明で今月7日から運転を休止した。
 さいたま市のさいたま新都心合同庁舎では、00〜05年、扉が開かなかったり、開いたまま動かないトラブルが5件あった。関東地方整備局は事故後、緊急点検を実施した。横浜市鶴見区の市営住宅では、「この3年間で閉じ込めや段差ができるなどのトラブルが相次いでいる」として「子供を1人で乗せないように」と書いた警告書を張り出した。
 東京都営住宅には、同社製のエレベーターが計344基ある。都住宅供給公社が賃貸する住宅や、公社が施工した都民住宅には同社製のエレベーターが計26基。05年4月〜06年3月の間にこれらの住宅で131件の不具合があった。うち、定員オーバーなど乗り方の悪さや溝に異物が入るなどのケースを除いた「電気機械的不良」は50件だった。また大阪市営住宅には同社製エレベーターが計127基あり、03年1月〜今年5月に不具合は167件。このうち、ごみ詰まりなどの「管理不良」を除いた「機器不良(故障)」は31件だった。
 シンドラーエレベータはスイスに本拠を置くシンドラーホールディングの日本法人。同社のホームページや民間信用調査機関によると、グループは世界各国の中小エレベーター企業を買収することなどで成長し、現在、110カ国以上に販売網を持ち、昇降機メーカーとして世界2位のシェアをもつ。日本では85年以降、前身の「日本エレベーター工業」の株式を取得、91年、現社名に変更した。
 日本エレベーター協会や国土交通省などによると、国内では大手3社が合わせて約8割のシェアを持つ一方、同社のシェアは約1%だが、価格が安いため入札に強いとされ、公営住宅や公共施設での割合が高いという。
(毎日新聞) - 6月8日22時29分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060608-00000064-mai-soci