2006年06月08日(木) 11時02分

東京・芝のエレベーター事故死：トラブル、１５件報告　県が緊急点検を開始　／神奈川（毎日新聞）

　◇シンドラー社エレベーター、横浜市や川崎市の市営・県営住宅など緊急点検
　「シンドラーエレベータ」（東京都江東区）製エレベーターのトラブルが相次いでいる問題で、横浜市や川崎市などにある市営・県営住宅などでも、人が閉じ込められたり、扉が開かなくなるなどのトラブルが少なくとも計１５件報告されていることが分かった。県や両市はシ社製のエレベーターの緊急点検に乗り出した。【足立旬子、網谷利一郎、鈴木一生、市川明代】
　●横浜市
　横浜市住宅供給公社によると、同市営住宅にはシ社製エレベーターが計３７基あり、昨年５月〜今年４月に鶴見、泉、金沢の各区で計４基で扉が開かず、利用者が３０〜５４分間、閉じ込められるトラブルが起きていた。
　このうち、市営矢向第二住宅（同市鶴見区）の自治会（６０世帯、１４１人）は「この３年間でエレベーターに閉じ込められたり、段差が４０センチほどできるなどのトラブルが相次いでいる」として「子供を１人で乗せないように」と書いた警告書を張り出した。
　同住宅は建設から１１月で１０年目。５階の女性（８２）は「４年前の大みそか、初もうでに行こうとして家族６人が２時間も閉じ込められた。今でも怖い」と顔をしかめる。主婦（２９）は「修理に来たシ社の業者が『使い方が激しいからではないか』と言ったことがある。東京の死亡事故で怖くなり、市とシ社に申し入れた。市とは１５日に面会するが、シ社はめどがつかない」と訴えた。
　同市は市営住宅のほかに、区役所や市営地下鉄などの公共施設にシ社製エレベーター３６基を使用。神奈川区の「神奈川スポーツセンター」で昨年９月に女性１人が３０分間閉じ込められたという。
　●川崎市
　川崎市住宅供給公社によると、同市営住宅のシ社製エレベーターは計９基。このうち川崎区の１基で昨年３月、住民が一時的に閉じ込められた。
　●県
　県営住宅は計１４団地でシ社製エレベーターが計４１基あり、昨年１月〜今年５月の間に人が閉じ込められたトラブルが３件、扉が閉まらないトラブルが４件あった。このうち厚木市にある吾妻団地の１基で今年３月、男性４人が閉じ込められ、４月には扉が閉まらなくなった。
　県は県土地建物保全協会に依頼し、８日までにシ社製エレベーターについて揺れや段差、異音などを確認する予定。さらに、県営住宅に設置されている全エレベーター（８１団地３０６基）も今月中に詳しく点検する。

６月８日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060608-00000067-mailo-l14