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2006年06月07日(水) 16時05分

ドコモ 嵐山に無断電波塔産経新聞

京のシンボル台無し 文化庁、原状回復命令も
 国の史跡・名勝「嵐山」(京都市右京区、西京区)の指定区域内に、NTTドコモ関西(大阪市北区)の携帯電話用鉄塔が無届けで建設されていることが7日、京都府教委の調べでわかった。府教委は文化財保護法に違反するとして、文化庁に報告。同庁は京都のシンボルともいえる嵐山内で違法行為が行われた事態を重視。鉄塔の撤去など原状回復命令も検討する。
 同社は昨年も大阪府池田市で無届けでの鉄塔建設で、古墳をほぼ全壊させており、同法への認識の甘さが問われそうだ。
 鉄塔が建設されているのは京都市右京区嵯峨亀山町の山中。高さ十数メートルの鉄柱が約5メートル四方のコンクリートの台座に設置されている。
 史跡・名勝に建造物や構造物を建てる現状変更を行う場合、文化財保護法に基づき、管轄自治体の教育委員会などを通じて文化庁長官の許可が必要。京都市からの通知を受けて府教委が調査したところ、面積約580万平方メートルの史跡・名勝指定区域内の北端部に含まれていることが判明した。
 府教委や同社によると、同社は平成10年に建設を計画。市風致条例に基づく届け出を出し、同意を得ていたが、市文化財保護課には届けておらず、文化庁長官の許可も得ていなかった。同社はその後、建設に入り平成11年6月に完成した。
 NTTドコモ関西は「当時、どうして届けていなかったかは分からない」と無届けを認めており、広報宣伝部は「移転を視野に早急に対処したい。史跡・名勝の指定域内に設置したことに関し今後はこのようなことはないように努めていきたい」としている。
 府教委文化財保護課は「京都は多数の文化財、史跡を抱える土地であり、文化財保護の認識を強く持って、建設当時に十分な調査を行ってほしかった」としている。
 文化庁記念物課の話 「京都府教委から報告を受け、驚いている。なぜこうしたことが起きたのか詳しい状況を調べ、文化財保護の観点から違法状態の早期解消のため、原状回復命令も含め厳正に対処したい」
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【用語解説】嵐山
 桜や紅葉の名所として知られ、年間を通じて多くの観光客でにぎわう京都市西部の名勝地。特に渡月橋から見渡す桂川の眺めが有名。昭和2年に国の史跡・名勝に指定され、同3、9年に指定区域が追加された。指定区域は京都市右京区嵯峨、同市西京区嵐山の山間部にまたがる約580万平方メートルで、渡月橋や保津川、天龍寺、法輪寺などが含まれる。
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【用語解説】文化財保護法
 昭和24年1月、法隆寺金堂の火災で壁画が焼失したことを契機に、翌25年に制定された。国が指定した「国宝」「重要文化財」のほか、「史跡」「名勝」「天然記念物」などを保護対象としている。史跡・名勝が損壊を受けた場合、罰則として5年以下の懲役・禁固刑が定められているほか、文化庁長官は原状回復を命じることができる。
(産経新聞) - 6月7日16時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060607-00000010-san-soci