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2006年06月06日(火) 08時14分

【香港】「東芝」装う詐欺メール、中国から来襲NNA

 「東芝」を装った詐欺メールで金をだまし取ろうとする手口が、中国本土から香港に広がり始めた。「東芝が実施した懸賞に当選した」と多数の人の携帯電話に連絡、賞金を得るために手続料が必要と偽り、入金させようとする手口を使っている。東芝香港と東芝(中国)はこのほど、こうしたメールと同社グループとはまったく無関係であり、懸賞も実施していないとの声明を発表、対策に追われた。【香港華南編集部・高田英俊】

 3日付東方日報によると、携帯電話に送られてくるショートメッセージは「日本東芝集団から」と表示。「この度新商品発売記念の抽選を実施したところ、あなたが当選しました。懸賞金10万8,000HKドルを受け取ることができます」と簡体字中国語で書いている。賞金受け取りについての連絡先は、浙江省杭州市の携帯電話番号が記されている。このショートメッセージが1カ月以上前から、多数の香港の携帯電話に送り付けられているようだ。
 
 NNAの取材によると、東芝香港は、約1カ月前このショートメッセージについて顧客から直接問い合わせを受けた。同社は、多い日には1日100件を超える問い合わせ電話を受けるなど対応に追われた。ショートメッセージを受け取った人は必ずしも東芝の顧客ではないことも判明したという。
 
 同社は問い合わせがあった翌日、◇東芝はこうした抽選を一切実施していない◇賞金の10万8,000HKドルも虚偽◇同メッセージに記された連絡先は東芝またはその関連会社のものではない——ことを示した声明をホームページ上に載せ、注意を喚起した。同時に、弁護士などを通じて携帯端末保有者やサービスプロバイダーなどに、こうしたメッセージやそれに似たメールなどは虚偽のものであり、送信を防いでもらいたいとも通知した。東芝香港は「発信先はすべて中国本土。犯人はプリペイド携帯を使用して頻繁に連絡先番号を変えている」との実態を把握。香港の携帯電話利用者にはこれまでのところ実害がないため、香港警察には届け出ていない。
 
 一方、東芝(中国)はホームページで同様に注意喚起しているほか、すでに中国公安に通報した。同社は以前にも、「東芝グループ傘下で、広東省韶関市にある人材育成センター」をかたられ、偽のショートメッセージを送信されていた例がある。
 
 ■賞金欲しいなら杭州まで
 
 同紙は記者が実際に、ショートメッセージ記載の連絡先に電話をかけてみた。連日かけ続けても携帯電話は話し中、または朝連絡するようにとのメッセージが伝えられるだけだった。しかし最終的に2日午後、北京語を流ちょうに話す王と名乗る人が電話に出た。
 
 王は同紙記者の賞金受け取りの問い合わせに対し、「杭州に懸賞センターがある。私はセンターの代表者」と語り、当選番号を確認するため携帯電話の番号を教えろと要求。さらに、身分証明書と自分の携帯電話などを持って杭州にくるよう求めてきた。会話の中で、杭州に来るための航空券など旅費は小さな問題であると絶えず強調したほか、賞金を渡すことを公証処に届け出るため、公証費2,000人民元を払うようにとも伝えてきたという。王は「杭州市上塘路のある商業ビルに来ればいい。10万人民元以上のお金が間もなく懐に入るのに、(旅費の)1,000元少しの出費は何でもない」と笑いながら答えていたとしている。
 
 ■中華圏で多発
 
 携帯電話にショートメッセージを送り付けてだます手口は中国本土、香港、台湾で多発している。銀行員をかたって、クレジットカードの番号を聞き出したり、預金を安全な口座に移す必要があると通知してきて、特定の口座にお金を振り込ませるなどの手法があるという。福建省アモイ市の公安は今年2月、香港と本土で計836人以上をだまし、被害額6,750万元に上った事件の犯人グループ10人を逮捕した。
(NNA) - 6月6日8時14分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060606-00000003-nna-int