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2006年06月05日(月) 00時00分

白熱の戦いラジオでも!! W杯日本戦中継  東京新聞

 開幕目前のサッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会。テレビ各局は手厚い態勢を敷き、連日、日本代表の動向を中心に伝えているが、ラジオ局は国際サッカー連盟(FIFA)側の制約が非常に多いこともあって、試合の中継も思うに任せぬ状況のようだ。それでも、担当者たちは使命感に燃え、臨場感あふれる放送を目指す。ラジオW杯中継の実情とは−。 (藤浪繁雄)

 NHKと民放を含め、どの会場にもラジオ向けに試合を実況中継するアナウンサーはいない。FIFA側から配信される「国際映像」などを見ながら、東京のスタジオでアナウンサーが実況する「オフチューブ中継」=図=と呼ばれる方式で、番組を制作するからだ。

 実は、日本のみならず、テレビやラジオの世界では、この方法でスポーツの実況を行うことはよくある。放送権料が高騰し、各国の放送事業者に割り当てられるIDカードが少ない場合に目立つようだ。

 民放ラジオは、今大会も日本民間放送連盟(民放連)の主導で番組を制作。東京・赤坂のTBSラジオに制作本部を設置し、ここで会場の音も組み合わせて実況を入れる。つまり、一次リーグ日本戦の三試合は、AM、FM、短波含め全国九十七局で同じ放送が流れることになる。NHKは東京・渋谷のスタジオから、独自映像も見ながら同様の方法で放送する。

 民放連ではIDカードを二枚確保。ニッポン放送の煙山(けむやま)光紀アナウンサーとTBSの根本文彦ディレクターに与えた。サッカーの現場経験が豊富な二人が大会期間中、日本代表の動向を中心に、全国共通のリポートを届ける。在京局のスポーツ番組担当者は「限られた状況の中で、臨機応変に動ける人選。地方局からの期待も高く、選手の表情なども積極的に伝えてほしい」と話す。

 ところで、こうしたラジオのW杯中継の現状には、問題点を唱える声がある。

 TBSラジオの清水洋二社長は五月三十一日の定例会見で、「どの局も同じ内容を放送することはいかがなものか、という議論もある。今は過渡期」と語った。次回の南アフリカ大会や二〇〇八年北京五輪などでは、局ごとに異なる試合(種目)を放送する案を検討しているという。

 ラジオの世界に詳しい放送作家の石井彰さんも「現状は発展途上」とみる。まずは実況アナウンサーの力量。「Jリーグ中継が少なくなり、何を伝え省略するか(技術が)まだまだ。解説者の表現力や、リスナーの想像力を働かせる訓練も足りない」と手厳しい。「ラジオでサッカーを楽しむ文化が未成熟」とも話し、「新しいサッカー中継のスタイルを見つけてほしい」と今後に期待している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060605/mng_____hog_____000.shtml