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2006年06月01日(木) 11時10分

和田氏の盗作疑惑、スギ氏「完全に私の作品だ」朝日新聞

 洋画家の和田義彦氏(66)の盗作疑惑について、作品が酷似しているとされるイタリア人画家のアルベルト・スギ氏(77)は31日、朝日新聞の取材に「画家だとは知らず、私の大ファンだと信じていた」と語った。和田氏は洋画家で05年度の芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門)を受賞したが、スギ氏は「彼の作品は完全に私の作品の盗作だ」と批判した。

「和田君は私の大ファンだと信じて疑わなかった」と話すアルベルト・スギ氏=ローマ市内で

 スギ氏によると、和田氏は5月13日、通訳と共にローマ市内のスギ氏のアトリエを訪問。泣きながら謝罪して「訴訟を起こさないで欲しい」と頼んだという。スギ氏は「盗作した作品をすべて送ってくれ」と求めた。

 スギ氏は「和田氏から5月18日に受けた」と説明しながら2枚のイタリア語ファクスも示した。この中では、和田氏とみられる人物が「自宅に保管している作品はすべてそちらへ送った」と述べるとともに「今回の事件について、深くおわびします。私はもう、美術界で生きていくことはできないでしょう。私の短い余生を、今回の事件から離れて送りたい」「私にとって必要なのは、あなたからの『法的に訴えない』と保証する一筆だけ。訴えないという手紙を送っていただければ、心が落ち着きます」などとしていた。

 スギ氏は「いまだに盗作は1枚も届いていない。大変な詐欺師だ」と怒りをあらわにした。

 スギ氏によると、和田氏とは約40年前に知り合った。和田氏が電話で「お会いしたい」と連絡してきたという。和田氏はスギ氏のアトリエで「私はあなたの絵が大好きだ。作品に恋をしている」と語り、興奮した様子で写真を多数撮影したという。

 その後も多い時には年5回アトリエを訪問。スギ氏は「今から思えばあらゆる角度から写真を撮り、大げさすぎる称賛を繰り返していたが、その時は私の絵の大ファンだと思って、ただうれしかった。画家だということも最近まで知らず、日本で西洋美術を教えている学者だと信じていた」と語った。

 スギ氏は「和田氏ひとりが悪いのではない。調査もせずに賞を与えた者も間違いだ。日本政府からの説明をまちたい」と話した。

http://www.asahi.com/culture/update/0601/013.html