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2006年06月01日(木) 06時07分

「52人解雇は不当」 大手タクシーに賃金支払い命令朝日新聞

 大手タクシー会社・第一交通産業(北九州市)が、子会社の佐野第一交通(大阪府泉佐野市)を解散させ、労働組合員だった運転手らを解雇したのは不当だとして、佐野第一の運転手ら52人と2労組が、第一交通側に地位の確認と未払い賃金や慰謝料の支払いを求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁堺支部であった。上田昭典裁判長は「第一交通が子会社を解散したのは組合排斥が目的で、偽装解散だった」と認定。運転手らは引き続き雇用される権利があるとし、この間の賃金計約4億4000万円と慰謝料3900万円の支払いを第一交通側に命じた。

 判決などによると、第一交通は01年3月、南海電鉄から佐野第一交通を買収。役員を送り込み、新賃金体系を同社の佐野南海交通労働組合に提案したが、労組は賃金減額だと反発した。その後、同社側は組合員だけを対象に長時間の点呼を強いるなどし、労使対立が深まった。

 これに対し第一交通は03年2月、別の子会社・御影第一(神戸市)を佐野第一の営業地域に進出させ、御影第一が非組合員らを採用。その上で同5月、佐野第一を解散し、組合員しか残っていなかった同社運転手らを全員解雇した。

 上田裁判長は判決理由で、解散の妥当性について検討。労組の反発で新賃金体系導入が困難と判断した第一交通が組合排斥のため佐野第一を偽装解散したと認定した。

 さらに「運転手らは組合を壊滅する違法な目的で解雇され、就労の機会を奪われた」と指摘、運転手ら全員への慰謝料支払いを命じた。また「佐野第一と同一の事業を行っている御影第一に雇用契約が継続していると主張できる」として、転職した2人を除く50人が判決確定までの給与を請求できると認め、定年退職者などを除く48人は同社に雇用される権利があるとした。

 第一交通産業は「判決を見ていないのでコメントを差し控えたい。控訴は判決を読んで検討する」としている。

 第一交通産業は1964年設立。全国のタクシー会社を次々と買収し事業を拡大してきた。同社グループが保有するタクシー台数は昨年9月末現在で6171台。

http://www.asahi.com/national/update/0601/OSK200605310065.html?ref=rss