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2006年06月01日(木) 02時05分

架空工事新たに30件 福山市下水道部朝日新聞

 福山市下水道部が02年〜04年度に発注した七つの工事で30件にのぼる架空の工事契約があったことが31日、明らかになった。同部では、工事に伴う建物被害の補償金を04年度に架空工事などで工面していたことが問題化したばかり。新たな発覚分では、高額になった工事を随意契約で済ませるために工事をでっちあげて分割したり、次年度に架空工事を発注して清算したりしていたケースもあり、総額は約2111万円に及ぶ。偽装が半ば慣習化していたともいえ、羽田皓(あきら)市長は「組織のトップとして、責任を痛感している」と陳謝。自らの処分も含め厳正に対処する考えを明らかにした。(広津興一)

 この日の市議会全員協議会で市が報告した。市は文書が保存されている02年度から、補償金をめぐる不正工事問題が発覚する直前の05年10月末までに下水道部が発注した全工事3370件を調査していた。

 市の報告=表=によると、新たに不正が見つかった7工事は取り付け管埋設工事で、30件の不正のうち、被害補償のための4件以外は、膨らんだ工事費の工面が目的だった。

 130万円未満という随意契約の条件に合わせるため、工事をでっち上げて少額に分割▽年度末で予算枠がなかったため、次年度に工事を偽装して発注▽工事から4年もたった後の被害補償要求に応じるためにうその工事を仕立てて金を工面——というケースもあった。交通整理員の数を水増しした1件以外は、すべて随意契約だった。

 このほか、実際にあった工事の支出を次年度に回す法令違反の「過年度支出」や、工事写真、書類の不備などで「不適正」と見なされる契約も812件あった。

 建設局幹部は「これほど出るとは思わなかった。慣習化していたと言われても仕方がない」と話している。

 羽田市長は「市民の信頼を取り戻すためけじめをつけたい。今後の処理はできるだけ早急に対応したい」としており、市の損害の確定も急ぐ方針。今後、土木、農林土木、都市の各部などの工事についても調査を進める。

 同市は今年度から、工事の担当課が検査していた200万円未満の工事についても、技術検査課や他の課がチェックする制度を導入。工事に伴う補償金についても補償基準を盛り込んだ要綱を定めるなど、不正防止策を講じている。

http://mytown.asahi.com/hiroshima/news.php?k_id=35000000606010002