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2006年05月31日(水) 00時00分

リポート福井 迷惑駐車なくなる?朝日新聞

取り締まり あすから民間委託

 道路交通法の改正に伴い、6月1日から違法駐車の取り締まりが民間に委託され、対策も強化される。駐車違反は発見され次第、即違反となり、反則金の対象となる。「迷惑駐車」の一掃が期待される一方で、商店主や運送業界からは「客足が遠のく」「業務への影響が大きい」と懸念する声も出ている。(今永 諒、増田啓佑)

 ■福井署管内で

 民間委託は今年度、全国の都市部や県庁所在地などを管内に持つ全国の270警察署で実施される。駐車違反取り締まりの人員を増やし、摘発を強化するのが狙いだ。県内では福井署(福井市)管内が対象となる。

 12社による一般競争入札の結果、落札した警備会社「コーワ」(福井市)が担当。講習や試験を受けて資格を得た同社の駐車監視員6人が、実際に現場で取り締まりにあたる。重点地域のJR福井駅や「片町」周辺を主に巡回する。

 監視員は2人1組で行動。違法駐車車両を発見すると、デジタルカメラ内蔵の携帯端末で撮影し、場所やナンバーなどの情報を入力。その場で駐車違反の標章を印刷して、フロントガラスにはり付ける。

 ■「逃げ得」阻止

 これまで駐車違反車両を発見した際は、マイクで移動を呼びかけたり、チョークでタイヤに印をつけたりして、一定時間が経過した後、違反扱いとしていた。

 1日からは違反を発見次第、駐車時間の長短に関係なく摘発される。また、「自分は運転していなかった」などと説明し反則金を納付しない場合は、車の所有者に対し、反則金と同額の「放置違反金」の納付を求める制度も導入される。放置違反金を滞納すると車検手続きができなくなる。また、半年間に繰り返し放置違反金命令を受けると、一定期間、車の使用が制限される。

 県内で昨年1年間、駐車違反が摘発された件数は5217件。県警交通指導課は「今までのように、『自分は運転していなかった』という言い逃れは通用しなくなる。違反者の逃げ得をなくし、事故の原因にもなる違法駐車をなくしたい」としている。

 ■トラブルも予想

 取り締まりの委託を受けた駐車監視員は、公務員とみなされる。全国で規格が統一されている制服は業者が購入するが、帽子や腕章、携帯端末は警察が貸与する。

 民間監視員が、強化された内容で取り締まりにあたることから、当初はドライバー間とのトラブルも予想される。みなし公務員の監視員にドライバーらが暴行を加えることがあれば、公務執行妨害罪が適用される。

 コーワの担当者は「罰金が絡むことなので、トラブルは避けられないだろう。通常の警備業務と同じように、言葉遣いに気をつけるしかない」と話す。駐車監視員の1人の男性(29)は「ミスがないよう、公平な作業をしたい」と緊張した面持ちで話す。

 ■緩和求め要望

 経済活動への配慮を求める声もある。

 福井市中心部の商店街店主は「今でさえ郊外店にとられている客の足がさらに遠のく」と嘆く。市商店街連合会の森下龍男会長は「福井で東京などの都市部と同じ規制をしても状況にそぐわない。条例などで緩和してもらわないと商店街が軒並みさびれてしまう」と影響を懸念する。

 約480社が加盟する県トラック協会は今年1月、県警に対し、荷物の積み下ろし中の取り締まり緩和などを求める要望書を出した。松本勲専務理事は「業務中、公道に止めざるを得ないことは多い。状況に合わせた柔軟な取り締まりをしてもらわないと運送の仕事は成り立たなくなってしまう」と訴える。

http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000605310001