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阪神電気鉄道は、村上ファンドが経営権を握った場合、次期社長に内定している坂井信也常務を始め、６月２９日の株主総会に諮る取締役候補の全員が就任を辞退し、抵抗する構えだ。
阪神が５月２９日に発表した人事案件によると、株主総会に提案する取締役候補者は１６人だが、その全員がそろう場合のみ就任する条件を付けている。
国は１０月から、鉄道会社の経営に責任を持つ立場の人を対象に、１０年以上の安全業務の経験を持つ「安全統括管理者」を選ぶことを義務づける方針だ。谷口克己・近畿運輸局長は３０日の会見で「阪神の規模の鉄道会社の場合、取締役に安全業務の経験をもった人を入れる必要がある」と話した。
阪神の取締役候補には、鉄道事業本部担当の本庄義信専務らも含まれる。村上ファンドが経営権を握ると、安全統括管理者の候補は不在となる可能性が高い。