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2006年05月31日(水) 00時00分

将軍様、セコイぞ!! 今度はW杯タダ見!?ZAKZAK

国内不満そらす狙いも“両刃の剣”か

 中継の要請は韓国の通信社・聯合ニュースが伝えた。同ニュースによると、北は朝鮮中央放送委員会の名義で中継をテレビで視聴できるよう韓国側に公文で要請してきた。

 韓国政府関係者は「社会主義国の北朝鮮は放送による広告収入があり得ないことをFIFA側によく説明すれば、最小限の費用で北朝鮮住民向けに放送できる」と期待感を示しているという。

 韓国の放送権を管理する組織はW杯中継権を取得するため、2500万ドル(約27億5000万円)をドイツの大手メディア会社などに支払っているが、今後、FIFAなどと交渉する予定だ。

 北は4年前の日韓大会でも開幕戦のフランス−セネガル戦を3日遅れで約1時間に編集して放送したのを始め、1カ月の大会期間中に37試合を放送。すべてどこかで録画し、編集した上で放送した。北に「放送権」は通用しない。

 放送の中ではタテマエ上、傀儡(かいらい)政権のはずの韓国戦も放送し、勝手に実況と解説を付けて選手を「高い技術だ」と評価したりもした。

 そうかと思えば、16強の紹介を韓国だけ除外したり、時事解説の番組で赤いユニホームを着て応援する韓国サポーターを「米帝国主義者やその追従者の反共宣伝により赤色恐怖症に陥っていた南朝鮮だが、今や耳を傾ける者はいない」と、支離滅裂だった。

 北の生活に詳しい山梨学院大の宮塚利雄教授は「北は『韓国の活躍はおれたちのもの。しかし、おれたちの幸せは韓国のものじゃない』というスタンスがある。金正日総書記がサッカーぐらい見せて国内の不満をそらす狙いがあるのではないか」と解説する。

 そもそも経済難の北朝鮮ではテレビを持っている世帯自体、少数派。宮塚教授は「平壌では普及しているが、地方ではまったく関係のない話だろう。ただ、最近、中国との国境沿いでは交易の影響でテレビを持つ世帯が増えている。そうした地域では中国のテレビを視聴している」という。

 朝鮮中央テレビに詳しい北ウオッチャーは「平日が夕方から、土日は昼過ぎから放送が始まり、午前零時前の天気予報と『明日の番組予定』を放送して終わる。深夜、早朝の中継はあり得ない」と生中継を疑問視する。

 さらに電力不足が難視聴に追い打ちをかける。「北の電力供給は、7割が水力発電といわれている。ただ、発電機の不調や田植えの時期で水を農業用水に回す必要が生じ、電力は不足しているはず。韓国人のサッカーを見て『おれたちは何なんだ』と思ったり、中継の肝心なときに停電すると、体制に不満を抱く者が出てくる。まさに『両刃の剣』ですよ」(宮塚教授)と、どうやら生中継のタダ見は現実的ではないようだ。

ZAKZAK 2006/05/31

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_05/t2006053128.html