悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年05月30日(火) 00時00分

公立校、紫煙が消えた 敷地内全面禁煙 朝日新聞

 県内のすべての公立学校から今春、たばこの紫煙が消えた。県教委が求めていた06年3月末までの学校敷地内での全面的な禁煙が達成されたためだ。愛煙家の教師らの中には、勤務時間中はガムをかむなどして耐え忍ぶ人もいる一方で、禁煙のきっかけとする人もいるようだ。31日は世界禁煙デー。先生たちの奮闘ぶりを参考にしてみては。(久保智祥)

 県教委によると、敷地内禁煙を達成したのは県内の幼稚園から小中高校、特殊教育諸学校までの計1146校。

 01年に策定した「健康いばらき21プラン」で喫煙防止教育の推進などを掲げたほか、03年5月に「受動喫煙の防止」を定めた健康増進法が施行されたことを受け、03年11月に学校内での完全分煙を達成。04年度から、通知やリーフレットで敷地内禁煙を呼びかけたほか、喫煙する教師には禁煙外来の受診に補助を出すなどして禁煙を促してきた。
 02年12月時点で県内の教師の喫煙率は18・2%(4730人)だったが、05年11月には12・2%(3358人)まで減少。今年1月末時点で高校を中心に89校が敷地内禁煙を未達成だったが、県教委は再度全校に完全実施を呼びかけ、3月末時点で達成した。

 県教委保健体育課は「学校現場で子供たちへの受動喫煙を完全に防ぐほか、喫煙は健康に悪いと教える以上、学校内でたばこを吸う大人の姿をなくしたかった」と狙いを話す。心配された来校者からの禁煙への苦情も今のところないという。

 公立学校敷地内での全面禁煙は、茨城のほかでは和歌山県や静岡県しか達成しておらず、県教委は「全国でも最も熱心に取り組んでいる県の一つだ」と胸を張る。

    ◇

 一方で、日中の大半を校内で過ごす愛煙家の教師にとっては受難の日々かもしれない。

 水戸市新荘3丁目の水戸商業高校ではこの春休み期間中に校内の灰皿が撤去され、喫煙ルームも消えた。以前は1日に30〜40本を吸うヘビースモーカーだった入野寿勝教諭(48)は今、学校にいる間はニコチンガムを1日に3〜4個かんでしのいでいる。「つらいですが、自分でもたばこをやめた方がいいのは分かっている」。生徒にも「おれが悪い見本だからたばこはやめておけ」と伝えているという。

 「たばこをやめるか、教師を辞めるかだな」。今春、水戸市笠原町の緑岡高校ではこんな笑い話まで出た。そして実際にたばこをやめたのが同校の川崎仁教諭(50)だ。2月から思い立って禁煙を始めた。キシリトール入りのガムを一日中かみ、休日はスポーツジムに通い汗を流すと不思議と吸いたくならないという。川崎教諭は「禁煙教育をやる以上、敷地内禁煙はしょうがないのではないか」と話す。

http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000605300005