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2006年05月30日(火) 00時00分

枝豆おいしい「ネット栽培」朝日新聞

 全国有数の枝豆産地である岐阜市で、枝豆の畑を網で覆う「ネット栽培」に取り組む農家が急増している。枝豆の害虫対策として岐阜県が中心に開発したが、農薬の使用量を大幅に減らすことができるうえ、豆に傷がつかない効果もあることがわかった。他府県の枝豆農家が視察に訪れるなど、注目を浴びている。(守真弓)

 岐阜市にある枝豆畑は計約230ヘクタール。豆に甘みがあるのが特徴だ。長良川から流れこんできた土砂が栽培に適していると言われ、主に関西方面や県内各地に出荷される。
 栽培農家にとって一番の悩みは、ガの一種、シロイチモジマダラメイガによる被害だ。成虫は体長約1センチ。サヤの中に卵を産み付けられると、外見からは分からず、いくら農薬を使っても届かない。そのため、出荷後に虫がいることがわかり、売り物にならない、と送り返されることも多かった。
 「多い時は、畑の半分がだめになってしまうこともあった」と、JAぎふえだまめ部会の高橋正男・副部会長は振り返る。
 そこで県の岐阜地域農業改良普及センターなどが00年、「ガが枝豆に寄りつかないように、網で苗を囲んでしまえばいい」と発想して開発したのがネット栽培。編み目が2ミリ四方の網を、枝豆の苗を植えた畝を覆うようにかぶせる。
 従来、夏の出荷にあわせて露地栽培される枝豆は、「ほったらかし」が基本だった。ネット栽培は、そんな原則を覆す「過保護」な手入れ方法だった。
 01年から2年間、一部の農家で試験栽培を実施したところ、ガの被害を防ぐ効果が高いことがわかった。さらに、強い太陽の光を遮り、風が通りにくくなるので、枝豆の黄ばみや傷がつく心配がなく、ゆでた後の食感も柔らかくなる、という。
 従来、7、8回は使っていた農薬も、半分ほどで済むという。「いろんな農薬を試したけど、これほど極端に成功した方法は初めて」。02年からネット栽培に取り組んでいる高橋さんは言う。
 今月29日から食品衛生法が改正され、農薬の残留基準が厳しくなった。県や市町村の保健所の検査で基準値を超える農薬成分が検出されると、出荷停止や回収処分となるため、農薬の使用量が減るのは歓迎だ。
 網の値段は10アールで約24万円で、その分、経費が上乗せされる。だが、半分も捨てることがあった収穫量の確保や、農薬の減量などを考慮すると「惜しくない」という。
 当初は60戸だった農家が、わずか4ヘクタールの畑で始めたネット栽培は、今年は市内の枝豆農家の半分以上にあたる165戸が採り入れ、栽培面積も計約30ヘクタールにのぼる見込みだ。
 今や、京都府や福井県の枝豆農家などが視察に訪れるようになった。一部の農家ではすでに、同じ手法で試験栽培も行われているという。
 同農業改良普及センターの五十川悦司・普及指導員は、「他府県にマネされるのがくやしいくらいの技術です」と話している。

http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000000605300003