悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年05月30日(火) 00時00分

駐車違反取り締まり強化へ「歓迎」「困惑」朝日新聞

駐車違反の取り締まり強化を目的にした改正道路交通法がいよいよ来月から施行される。取り締まりの委託を受けた民間業者がひんぱんに巡回する高松市中心部の強化重点地域では「街がきれいになる」と歓迎する声がある一方、商売などへの影響を心配する声も多いようだ。車を使う運送業界も対策に頭を悩ませている。(西原正浩)
 高松市郷東町の県警運転免許センターで23日、違法駐車の確認業務を受託したセノン(本社・東京都新宿区)の社員が研修を受けた。
 カメラ付き携帯端末で車のナンバーを撮影して駐車場所を確認し、腰につけたプリンターに入力するとシール式の違反標識が印刷される。それをフロントガラスにはり付けるまで約10分。慣れれば5分で済むという。これで違法駐車が「確認」され、反則金の支払い義務が発生する。チョークで印をし、一定時間たって違反としていたこれまでとは桁違いの「スピード認定」だ。
 特に高松市中心部は、監視員が少なくとも2時間に1回巡回する「最重点地域」となる。
 日中に迷惑駐車が多いとされる高松市の美術館通りも最重点地域。ある平日の夕方、通りには約10台が路上駐車していた。車をとめていた10人に聞くと、取り締まり強化は8人が知っており、うち2人が「街がきれいになるので強化に賛成。自分もこれからは駐車場を使う」と好意的な反応。だが6人は不安を隠さない。
 勤務先の事務所前に車を止めていた男性(44)は、事務所に荷物を運び込むために数分間止めることもできなくなると心配する。「2、3分のつもりでも、電話がかかり応対せざるをえないこともあるから」。このほか「中央通りで客待ちをしているタクシーの方がよほど迷惑。一般人だけ取り締まられるのは納得がいかない」の声も。
 通りで店を開く人の中からも困惑の声が。35年以上前から服飾店を経営する女性(64)は、なじみの客と取り締まり強化が話題になることが多いという。「お客さんが近くに来たついでに10分ほど話をすることがあるが、それができなくなると客足が遠のいてしまうかも」
 一方、取り締まりで利用者増が見込まれるはずのコイン式駐車場だが、「ナイスパーキング」で800台分の駐車場を展開する横井鋼業の横井実社長は「影響を図りかねている」と慎重だ。取り締まりが厳しいという評判が立つと、市民が中心部に車で来ることを敬遠してますます郊外店に流れかねないためという。「街中心部の活力がそがれてしまうと業界にはマイナスになるでしょう。しばらくは様子見です」
 法改正の影響を強く受ける運送業界は対策を急ぐ。日本通運四国支店は、取り締まり最重点地域では集配トラックを2人で運用することに決め、人件費を抑えるため集配計画の効率化を徹底するという。「駐車場の確保や集配拠点づくりも検討しているが、費用対効果がはっきりしないので悩ましい」と担当者。
 個人経営の場合はさらに深刻だ。赤帽香川県軽自動車運送協同組合の貞野正昭理事長は「組合員は運転から集配まで1人でやるので、常に取り締まりのリスクを負う」と頭を抱える。
 荷物を引き取りに行った時、取引先の窓口で10分程度待つと、たちまち取り締まりの対象になる。近くに有料駐車場があっても小荷物の運賃は1個あたり100〜200円のため、利用すると採算があわない。引っ越しサービスも組合員が一人でするため、高層マンションなどでは車を空ける時間が長くなり、取り締まりを受ける可能性が出てくるという。
 同組合は取引先に対し、集配時に駐車スペースの無償利用を依頼していく予定だ。

http://mytown.asahi.com/kagawa/news.php?k_id=38000000605300001