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2006年05月30日(火) 00時00分

「水俣病と認めないと解決とはいえない」朝日新聞

  県議会の水俣病対策特別委で29日、一時金と療養手当を含む「医療手帳」の申請受け付け再開を国などに求めることが決まった。県と特別委は近く各要請書を提出する予定だ。しかし、被害者団体は「水俣病と認めないなら、本当の解決とは言えない」と批判する。

  95年の政治解決による救済策では、未認定患者は水俣病患者とは認められず、国と県の責任はあいまいなままだった。

  行政責任を認めた関西訴訟の最高裁判決により、昨年から交付が再開された新保健手帳は、医療費全額が支給される。だが、3800人を超える認定申請者が審査待ちの状態に対し、申請を取り下げて新保健手帳の支給を選んだ人は熊本、鹿児島両県で約250人。

  政治解決を受け入れた被害者でつくる水俣病被害者の会全国連絡会(全国連)の橋口三郎幹事長は「水俣病とはっきり認めてもらわないと解決にならない。金銭を出すだけではなく、制度そのものも変えるべきではないか」と指摘する。

  国、県、チッソを相手取って損害賠償訴訟を起こしている水俣病不知火患者会の滝本忠事務局長も「水俣病と認めないなら同じことの繰り返し。司法救済でないと、すべての被害者の救済はできない」と話す。

  特別委の要請書案では「対応がない場合、法定受託事務である県の認定審査業務の実施は困難」として、国が認定審査をするよう求めるなど、強い姿勢で医療手帳再開の検討を促している。

  一方、委員からは「与党の議論を見守った方がいい」との意見や、政治解決ではチッソが一時金を負担したことから、「(再開後の財政負担で)『チッソに万が一のことがあれば、現在の患者救済はどうなるのか』との不安を抱かれないようにしてもらわないと困る」などの意見も出た。

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000000605300003