2006年05月30日(火) 12時30分

＜フィッシング詐欺＞東京の組織メンバー逮捕　ネットで騙す（毎日新聞）

　インターネットのヤフーオークションで、「フィッシング」と呼ばれる手法で会員から不正入手したＩＤを使い、出品したように見せかけて落札者から現金をだまし取ったとして、京都、熊本、静岡の３府県警は３０日、メンバー８人のうちグループの拠点マンションに住む東京都渋谷区東３、無職、松岡貴之容疑者（３４）を詐欺と不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕した。残り７人も順次逮捕する方針。拠点マンションなど７個所の家宅捜索も始めた。グループには、ネット上で雇われた末端メンバーが各地に約１０人いるとされる。府警は被害総額は約１億円、被害者は約７００人にのぼるとみており、組織の全容解明を目指す。フィッシング詐欺組織の検挙は国内初という。
　調べでは、８人のうち松岡容疑者ら４人は０５年９月、フィッシングで入手したヤフー会員の３０代男性＝熊本県宇土市＝のＩＤとパスワードを使い、ヤフーオークションで腕時計を架空出品。落札した東京都足立区の男性会社員（３４）に代金２４万円を振り込ませ、だまし取った疑い。また、８人は今年４月、同様の手口で同オークションにＣＤデッキなどを架空出品し、落札した愛知県江南市の男性設計士（３８）から代金２５万円をだまし取った疑い。
　グループは当初、松岡容疑者ら数人で活動していたが、次第に架空出品を担当する末端メンバーをネット上で集めるなど組織化を進めたとみられる。設計士に対しては末端メンバーが架空出品で落札させたとされる。末端メンバーと松岡容疑者ら主犯格とは面識もなく、互いに仮名で連絡を取り合っていたという。【朝日弘行、新宮達、石川勝義】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060530-00000044-mai-soci