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2006年05月30日(火) 21時48分

<トヨタ>リコール台数急増、コスト低減努力と表裏一体毎日新聞

 トヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)が相次いでいる。30日に同社が国土交通省に届け出たのは9車種で計56万台。今年の累計はすでに80万5000台となり、過去最悪の189万台を記録した04年のペースを上回る。トヨタブランドの根幹となる品質、信頼性を揺るがしかねない事態に同社は危機感を強め対策に乗り出しているが、生産コストを引き下げるため進めてきた複数車種の部品共通化が裏目に出た側面もあり、一朝一夕に歯止めをかけることは難しいようだ。
 今回の不具合はかじ取り装置と呼ばれる個所で、ハンドルとギアボックスとを結んでいる軸の強度不足が明らかになった。使い続けると、ハンドル操作ができなくなる恐れがあるという。対象になったのは「カローラ」のほか、ミニバン「ウィッシュ」やハイブリッド車「プリウス」などの人気車種。
 トヨタは昨年10月に1件で128万台の大量リコールを出しているが、このように発表1件当たりの回収台数が急増しているのが最近の特徴だ。背景にはここ4、5年で、部品の共通化を進めたことがある。
 国内外で激化する販売競争を勝ち抜くため、トヨタは部品メーカーとともに、計画的にコスト削減と生産効率化を進めてきたが、その有力な手段の一つが、生産車種ごとに専用部品を開発・使用するのではなく、部品を極力共通化することだった。しかし今回のケースのように、共通で使った部品に不具合が発生すると回収台数が大幅に増えるという、思わぬ弊害も抱えることになった。
 10日の決算発表で、渡辺捷昭社長は「品質はわれわれの命綱」とし、リコール増加に対する危機感をあらわにした。6月の役員改選で品質選任専務を置くほか、すでに品質保証や設計などの担当者によるチームをつくり、リコールで明らかになった生産現場の問題点を早めに改善させる活動を始めている。
 ただ、こうした取り組みは今後の生産車が対象で、過去の生産車からは、まだ新たな不具合が見つかる可能性がある。長年積み重ねてきた信頼を失いかねない事態だけに、トヨタは回収対象車の保有者への対応に万全を尽くす方針だ。【小川直樹】
(毎日新聞) - 5月30日21時48分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060530-00000123-mai-bus_all