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2006年05月30日(火) 00時00分

売れ筋はヒカリモノ、増加する個性派USBハブ、ポート不足の救世主は今朝日新聞

 パソコンの接続端子で、現在もっとも広く利用されているのは「USB」だろう。対応機器の広がりにあわせて、パソコンに搭載されるUSBポートの数も増えてきた。とはいえ、アレもコレもとつないでいくうちに、たちまち足らなくなってしまう。こうした悩みを解決するのが「USBハブ」。このところ個性派が増えているようだ。「BCNランキング」でその実態をチェックしてみた。

【図表データ】=http://bcnranking.jp/flash/09-00008208.html

●USBポート不足を一気に解決

 例えば、USBポートを2つしか持たないノートPCに、外付けのマウスやキーボードをつないで、さらにプリンタや携帯オーディオプレーヤーも……となると、USBポートが足りなくなってしまう。そこで、威力を発揮するのがUSBハブだ。

 1つのUSBポートに複数のUSB拡張機器が接続できるため、あっという間に問題が解決する。ちなみにUSBポートは、理論上で最大127台までの周辺機器が接続でき、さらにUSBハブにUSBハブを階層状につなげる「カスケード」接続では6階層まで対応できる。なんとも心強い拡張端子がUSBなのだ。

 規格としては現在、転送スピードが最大12Mbpsの「USB1.1」と最大480Mbpsの高速にデータを転送できる「USB2.0」の2つがある。他のUSB機器同様、USBハブもUSB2.0に対応したものが主流になっている。

 「BCNランキング」で、05年6月の販売台数を1として販売台数の伸びを見てみると、95%から120%程度と多少の増減はあるものの、ほぼ同水準で推移し売れ行きは堅調。実売価格の平均は約2000円だ。

●エレコムのヒカリモノが1位、隣のポートを塞がないセパレートタイプも注目

 さっそく「BCNランキング」で「USBハブ」の売れ筋を見てみよう。USBハブのみの独立したカテゴリはないため、今回は「USB」のカテゴリから「USBハブ」を抽出して機種別ランキングやメーカー別シェアを算出した。

 06年4月の機種別ランキングでは、エレコムのバスパワー専用4ポートハブ「U2H-P4BBU」が販売台数シェア1位だった。PCに接続すると本体上面が光るのが特徴。高級感のあるデザインも印象的だ。発売は05年11月。光る色によって4色のバリエーションがあり、1位の「U2H-P4BBU」はブルーだ。また8位になったのはグリーンに光る「U2H-P4BGN」だ。続く2位もエレコムの2モデルが同率でランクインした。4つのポートを縦に2ポートずつ配置して少しずんぐりした形の「U2H-R4BSV」と、縦長のスリムな本体にパソコンとつなぐUSBケーブルを収納可能な「U2H-K4BSV」の2機種。いずれも特徴ある個性派ぞろいだ。

 さらにエレコムからは、6位と7位に、隣のポートを塞がないセパレートタイプのUSBハブ「U2H-M4BWH」「U2H-M4BBK」が色違いでランクインした。セパレートタイプは、1本ずつ独立したケーブルの先にUSBコネクタがついているため、USB機器の幅やケーブルの長さを気にすることなく利用できるのが特徴。タコ足風で見た目はすっきりしないが、実用性は高い。

●携帯オーディオ人気がUSBハブの“カタチ”に変化を

 売り場を見ると、セパレートタイプに限らず、4つのポートうち1つを本体上面や別の側面に配置し、ポート部を独立させたり、USBポートに角度をつけて隣との干渉を起こさせないようにするなど、形状に工夫を凝らした製品が目立つ。かつてはUSBポートが横並びに配置されたものが一般的だったが、「iPod Shuffleの発売以降、(iPod Shuffleの接続を想定して)1つのUSBポートを独立させた『3プラス1』のUSBハブが増えてきた」(エレコム)という。エレコムでは、しばらくこの傾向が続くとみており、携帯オーディオの普及が、意外なところで影響を及ぼしているようだ。

 電源の方式別では、上位10製品中、ACアダプタの要らない「バスパワー」対応モデルが9機種を占め、電源を別に取る「セルフパワー」に標準で対応するのは、10位のグリーンハウス「GH-UHC204PW」のみだった。バスパワー対応モデルのうち、オプションのACアダプタによりセルフパワーに対応するサンワサプライの「USB-HUB217BK」を除いて、いずれもバスパワー専用タイプ。ポート数別では、上位10製品中、2ポートの一機種を除き、いずれも4ポートだった。

 トップ圏外では、上面に1ポートを装備し、側面の3ポートはポート間の距離を広くとった「USB-HUB222SV」や、パッケージにあるとおり思わず「手に取りたくなる」丸型スティックタイプの「USB-HUB216SV」をはじめ、個性的なデザインの製品も多い。ディズニーキャラクターをデザインしたものや、通常はUSBハブ経由では充電できないiPodを充電することができるシステムトークスの「SGC-40BHS(W)」のように、機能で差別化を図ったモデルもある。

 なお、USBハブは機器によって供給電流が定まっており、また、USBハブを介してつなげた場合の動作を保障していないUSB機器も多い。コンセントのタコ足配線が危険なように、利用する際は機器同士の相性や取り扱いには注意を払いたい。

●05年に後発で参入したバッファローが好調、メーカー別シェア5位に浮上

 続いてメーカー別シェアに目を向けてみよう。06年4月の「BCNランキング」の集計対象となったUSBハブは全部で547製品。機種別の販売台数シェアは、上位でも一桁台にとどまり、人気は広く分散している。

 こうしたなか、メーカー別シェアは、機種別ランキングでも上位を独占したエレコムが常に40%前後のシェアをキープしてトップを独走。06年4月は、2位にシェア22.6%でサンワサプライ、3位にシェア9.4%でシグマA・P・Oが続いている。

 安定した上位陣を追いかけるようにこのところ伸びているのがバッファローだ。同社は05年4月にUSBハブ市場に参入。後発組ながら着実に製品ラインアップを増やし、05年6月の時点ではわずか1.8%に過ぎなかったメーカー別販売台数シェアを06年4月には8.5%まで拡大、順位も5位に浮上した。06年4月の機種別ランキングではバスパワー専用の4ポートハブ「BHB4-U201/BK」が最高16位に入っている。現状、エレコム、サンワサプライのほぼ2強状態の「台風の目」となるのか、参入2年目の今年の動きが注目される。

●広がるUSB機器、USBハブの需要も増加?

 ケーブル経由でパソコンから給電できるUSB独自の特徴を生かし、扇風機やライトなど電源をコンセントからUSBに変更したアクセサリ感覚のUSB機器もあり、店舗によっては1コーナーを占めているところもあるほど。なぜコレをUSB接続にするのか? と思わせる脱力系の面白グッズにも事欠かない。

 逆に言えばそんなものまで登場するほど、USBは「標準」となったわけだ。マウス、キーボード、プリンタ、Webカメラといった定番から、携帯オーディオやデジタルカメラ、携帯電話などなど、あらゆるものを接続できる規格となった。当面USB接続の周辺機器は増え続け、USBポートは不足し続けることになるだろう。「USBハブ」の出番はまだまだ続きそうだ。

■バスパワー

ACアダプタを使わず、動作に必要な電源をパソコンのUSBポート経由で供給するモードまたはその方法を指す。USB接続のマウスやテンキー、USBメモリ、ポータブルハードディスクなどで対応しているものがある。USBハブの場合、バスパワーだと接続できる機器が限られるが、USBハブ自体にACアダプタをつなぐ必要がなくなるため、取り回しが容易になる。

*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・約2200の店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。

http://www.asahi.com/digital/bcnnews/BCN200605300007.html