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2006年05月29日(月) 02時14分

姉歯被告に偽証の疑い 証人喚問で産経新聞

 耐震偽装事件で、元建築士の姉歯秀次被告(48)が警視庁など合同捜査本部の調べに対し、国会の証人喚問で最初に偽装したと証言した物件より前に「2物件で構造計算書の偽造をしていた」などと供述していることが28日、分かった。偽装を始めた契機についても「木村建設側の圧力」とした国会証言を自ら否定する供述を始めている。合同捜査本部は議院証言法違反(偽証)の疑いが強いとみて立件を視野に捜査を進めている。

 姉歯被告は昨年12月14日、衆院国土交通委員会の証人喚問で、最初に偽装した物件を「(平成10年の)グランドステージ池上」と3度にわたり証言。偽装を始めた契機について「木村建設の元東京支店長から鉄筋を減らすように相当プレッシャーをかけられた」「当時、仕事の90%ぐらいを木村建設から請け負っていたので、やむを得ずやった」と説明していた。

 調べでは、「池上」は10年5月25日、建築確認申請があり、大田区が同年7月15日に建築確認していた。木村建設の内部資料から、10年より前には姉歯被告が木村側から大規模建築物の構造計算を請け負っていなかったことが判明。姉歯被告への発注が本格化したのは11年以降だったことなどから、合同捜査本部で追及したところ、「池上以前に2棟で偽装した。木村建設は関係ない物件だった」と具体的物件名をあげて供述したという。

 10年2月から6月にかけて建築確認された木村建設の関与しない川崎市のマンションで、姉歯被告による偽装の疑いが指摘されており、これらが池上以前の偽装物件とみられる。

 合同捜査本部は自発的に偽造を始めた姉歯被告が、責任回避のために偽証したとみている。

 偽証罪の立件には国会側の刑事告発が必要とされる。偽装問題を追及している民主党の馬淵澄夫衆院議員は産経新聞の取材に「(偽証を認める)供述があれば委員として理事会に(告発の)協議を求めていく」と話しており、合同捜査本部は告発を念頭に捜査を進めている。また、国土交通省から告発を受けた建築基準法違反罪では今後、姉歯被告を追送検する方針。

 ■偽証罪 うそ偽りを言わないとの宣誓書を読み上げ、署名押印した証人が虚偽証言した際に成立する。3カ月以上10年以下の懲役。通常の法廷だけでなく、議院証言法に基づく国会での虚偽証言にも適用される。議院証言法は8条で、偽証があった場合は告発しなければならないと規定しているが、告発には当該委員会などの出席委員の3分の2以上の議決が必要。平成16年には受託収賄罪などに問われた鈴木宗男衆院議員が同罪でも有罪判決を受けた。

(05/29 02:14)

http://www.sankei.co.jp/news/060529/sha010.htm