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2006年05月28日(日) 10時24分

法王発言に注目 きょうアウシュビッツへ産経新聞

 【ベルリン=黒沢潤】ポーランドを訪問中のローマ法王ベネディクト十六世は28日、ナチス・ドイツが第2次大戦中にユダヤ人らを大量虐殺したアウシュビッツ強制収容所を訪れる。ドイツ出身である法王は、少年のころ、ナチスの青少年組織「ヒトラー・ユーゲント」に義務的に所属した経歴があるだけに、その発言内容が注目されている。

 ポーランドは第2次大戦中、ナチスによってユダヤ系を含む約600万人(人口の5分の1)を失った。反独感情が今でも残っていることから、国民は法王発言に特別な関心を寄せている。

 法王はこれに先立つ27日、前法王ヨハネ・パウロ二世の故郷であるバドビツェを訪問した。26日には南部の古都クラクフの大司教公邸にある「法王の窓」に立ち、「親愛なる兄弟たちよ。温かく迎えてくれてありがとう」などと信者らに語りかけ、歓迎を受けた。

 法王は前法王と生前から親しく、後継者でもあることからポーランド国民に敬愛されている。世論調査機関CBOSによれば、82%の国民が法王のポーランド訪問を歓迎すると回答している。

 法王は同国滞在中、第2次大戦中の「傷」の癒えない年配層らに配慮し、法王の母国語である独語ではなく、イタリア語中心で公務を続けている。

【2006/05/28 東京朝刊から】

(05/28 10:24)

http://www.sankei.co.jp/news/060528/kok035.htm