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2006年05月28日(日) 06時27分

自賠責保険、剰余1千億円 「無保険対策」集め過ぎ朝日新聞

 交通事故の被害者に賠償する強制加入の自動車損害賠償責任(自賠責)保険で、保険を管理する国の特別会計に1000億円超の資金が余っている。無保険車による事故の被害者らを救済するため徴収している「賦課金」を、特会を運営する国土交通省が集め過ぎてきたためだ。政府は今国会で成立した行政改革推進法で特会を見直す方針だが、非効率な運営の是正が課題になりそうだ。

 自動車保有者が加入を義務づけられている自賠責保険は01年度まで、保険会社が集めた保険料の6割を国が徴収し、自賠責特会(現在の正式名は自動車損害賠償保障事業特別会計)で管理。うち「保険勘定」で保険金の6割を保証していたが、この部分は02年度から保険会社に全面的に任された。それまで同勘定にたまった2兆円近い運用益は02年度以降、保険料の減額や被害者救済事業に使っている。

 だが、これとは別に、無保険車やひき逃げによる事故で保険金が受け取れない被害者に保障金を支払う「保障勘定」の改革は手つかずで、多額の剰余金が残っている。

 保障勘定の06年度予算の歳入は707億円。うち29億円は、自賠責保険料と併せて徴収される70円の賦課金が原資で、659億円は前年度からの繰越金。年間約5000人の被害者に対する保障金など歳出は80億円で、07年度予算へ627億円が繰り越される見通しだ。

 保障勘定には、別に約490億円の剰余金もある。94、95年度に国の税収不足を補うため、「隠れ借金」として保障勘定から一般会計に貸し出した資金だ。返済は財政難から2011年度まで繰り延べされているが、合計で1000億円超が余っている計算だ。

 多額の剰余金の原因は、交通事故の死者が70年の1万6765人をピークに1万人前後に減り、無保険車の事故などの被害者も減ったのに、80年代まで200〜400円の賦課金を徴収し、歳入が歳出を大幅に上回ったため。80〜90年代前半には年間50億円前後の剰余金が積み上がった。

 国交省は賦課金の徴収額を97年に80円、05年に70円に減らし、現在は年間の歳入が歳出を下回っている。今後、自賠責特会は自動車検査登録特会と統合されるが、多額の剰余金の扱いは未定だ。

http://www.asahi.com/business/update/0528/001.html