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2006年05月28日(日) 00時00分

W杯動画熱い戦い 各社サイト続々参戦 東京新聞

 サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会開幕(六月九日)まであとわずか。現地へ行けないなら、せめてテレビで応援したいが、今大会はインターネットや携帯電話でも楽しめそうだ。ブロードバンド(高速大容量)化が進み、動画配信を行うテレビ局やネット関連会社が続々登場しているためだ。各社はサイトへの集客を狙って、熱い戦いを繰り広げている。 (経済部・桐山純平)

 ■1試合4分

 ロナウド選手が二ゴールを決め、ブラジルに五度目の栄冠をもたらした四年前の日韓W杯決勝戦。前回大会の名場面を無料でみられるのは、ニフティのW杯専用サイトだ。「サッカーの動画を通じて、ニフティのネットサービスを知ってほしい」。ニフティの広報担当者は、十五日から始めた無料配信の狙いを説明する。開幕後は全六十四試合のハイライト映像を無料で流し、集客をさらに高める考えだ。

 ニフティに映像を供給するのは、携帯電話向け情報配信のインデックス。昨年、W杯ハイライト映像のネット配信権を得た。生中継はできないが、ワンシーン二十秒、一試合につき最大四分という条件で独自編集ができる。インデックスは自社とニフティ以外に、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)やテレビ朝日など、約十社に映像を供給する予定だ。

 テレビ朝日ではインデックスの映像のほか、優勝候補のブラジル代表の練習風景なども有料でインターネット配信する。電通と民放五社などが出資して設立した「プレゼントキャスト」は、W杯期間中に各局と連携した番組の無料放送を行う。

 四年前と比べ動画配信が盛り上がっているのは、ブロードバンド契約数の増加にある。ADSL(非対称デジタル加入者線)と光ケーブルを合わせたブロードバンド契約数は、二〇〇二年末の七百八十一万回線から、〇五年末で約二千二百三十七万回線と三倍近くに増加した。動画を快適に視聴できる環境が整う中、利用者ニーズも高まっている形だ。

 ■ワンセグ重宝

 インデックスが供給する映像は、スカパーやテレビ朝日を通じて携帯電話向けにも配信される。移動体通信でも同じく高速化が進み、動画視聴の環境が向上した。

 携帯に関しては、今年四月一日から始まった移動端末による地上デジタル放送「ワンセグ」も人気を博しそうだ。

 これまで視聴可能な携帯端末は、NTTドコモが販売する一機種と、KDDI二機種の計三機種しかなかった。しかし二十七日、ボーダフォンがシャープの液晶テレビのブランド名「AQUOS」の名を冠した商品を発売。KDDIも「ワールドカップで需要の拡大が見込める」(幹部)と、六月中に最新機種を登場させるなど端末争いも拍車がかかっている。

 ■大手も参戦

 インターネット業界で雌雄を競うヤフーと楽天も、W杯期間中に特集を行う。ヤフーは前回同様、W杯公式サイトの日本語版を運営。試合終了から二十四時間後に二分間のハイライト映像を流す。前回は合計で約二億のページ閲覧数があった。だが今回からは動画視聴も無料となり、二億五千万の閲覧数を目標に掲げる。

 一方、楽天は特集サイトを開設するものの、動画配信は行わない。特徴的なのは、主力のネット上の仮想商店街「楽天市場」にコーナーを設け、ユニホームやシューズなどのサッカー関連商品を扱う。動画の無料配信をめぐっては「採算度外視」(関係者)との声も業界内にある。各社は、W杯という世界イベントをきっかけに動画に対する優位性をアピールする戦略だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060528/mng_____kakushin000.shtml