2006年05月28日(日) 03時02分

顧客だましローン契約　日産販売店元課長　被害1000万円超か（産経新聞）

　日産系ディーラーの元課長が在職時、「自分が払うので名義を貸してほしい」などと年配の顧客らに新車のローン契約を組ませ、途中で支払われなくなる被害が相次いでいることが二十七日、分かった。無職男性（７３）ら東京都日野市の四人が総額一千万円近い被害に遭うなど、被害は十件以上にのぼるとみられ、警視庁日野署は詐欺の疑いもあるとして調べている。
　同署や関係者によると、被害者四人は平成十六年二月から七月にかけ、日産系ディーラー「東京日産モーター」日野橋店（立川市）の元課長と中古車の下取り契約を交わした。さらに元課長は「ローンを組めない得意客がいるから、あなたの名義で組んでくれないか」などの話を持ちかけ、「代金は自分が責任を持って支払う」との念書を作成するなどしたうえで、新車のローン契約を四人の名義で組ませたという。
　元課長は当初、四人の口座に毎月支払額を振り込んでいたが、同年十一月に退職。十七年六月ごろから、振り込みをしなくなった。四百万円以上のローンを組んだ被害者もおり、四人は現在も支払いを続けている。
　東京日産モーターは、元課長による同様の被害報告が、十件以上にのぼることを認めている。同社も領収書を偽造されたなどとして、昨年八月、立川署に被害届を出した。
　被害者側は今月、同社に被害金額の賠償を請求。受け入れられなかった場合、同社を相手取って損害賠償訴訟を起こす方針。
　東京日産モーター総務人事部は「元従業員が勝手に行った不正だが、事実として迷惑をかけている部分もあるので、今後（被害者側と）話し合っていきたい」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060528-00000014-san-soci