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2006年05月27日(土) 00時00分

放送・通信「融合」へ一歩 文化審議会報告案朝日新聞

 放送と通信の融合を本格的に進めると期待されている有料の会員制インターネット配信事業「IPマルチキャスト放送」をめぐり、著作権処理を容易にする法改正を検討してきた文化審議会著作権分科会法制問題小委員会が30日に固める報告書の骨子案がわかった。著作権法改正を打ち出しており、融合への道は開けたが、地上波の番組などを同時に送信する場合に限っている。事業者などが制作する自主放送については、さらに検討を継続する。

 今回の著作権法改正の検討作業は、ブロードバンド(高速大容量通信)網の普及を受けて、政府の知的財産戦略本部(本部長・小泉首相)の提言で始まった。放送局などに与えられている、音楽などの権利処理を簡略に済ませられる「特権」を、IP放送の事業者にどこまで認めるかが焦点だった。

 骨子案は、放送事業者としての公共性が確保されることを前提として、「同時再送信」に限ってIP放送の事業者をケーブルテレビ局と同様に取り扱う考えを示した。今年中にIP放送による地上波デジタル放送の同時再送信が始まる予定のため、権利関係の明確化など、早急な対応が必要と判断した。「放送」とみなされれば、歌手などの著作権者から、事前の許諾を得る必要はなくなる。

 だが、IP放送の事業者が自分で番組を制作したり、番組供給業者から番組をもらって配信したりする「自主放送」にまで法改正の範囲を広げることについては、IP放送側は事業を拡大しやすくなるが、著作権者の権利が縮小するため、「今後継続して検討を行う」としている。

 また、有線放送で放送番組を同時に送信する場合、現状では歌手やレコード会社の権利は働かないが、有線放送のビジネスが都市部などで大規模化していることを踏まえ、歌手らに報酬を請求する権利を与える。IP放送で同時に送信しても、歌手らは同じ権利を持つことになる。権利者へは配慮を示したが、有線放送事業者にとっては、法的に与えられていた優遇措置が弱められることになる。

 また、文化庁は法改正後も事業者と著作権者の間の新たな契約ルールの締結が円滑に進むよう、協議の場を設定するなど積極的に支援することも検討する。

http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200605260375.html