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2006年05月26日(金) 00時00分

『危険運転』施行…飲酒隠そうと? ひき逃げ3倍増 東京新聞

 ひき逃げ事件が最近十年間で約三倍に急増しており、警察庁は本年度、厳罰化の検討に着手する方針を決めた。飲酒運転などに厳しい危険運転致死傷罪が制定された影響で、飲酒運転の立証を困難にするため「逃走を謀るケースが増えている」との指摘が出ており、ひき逃げ自体を厳罰化した場合の抑止効果を探る。

 ひき逃げは昨年一年間で約一万九千七百件に上り、一九九五年の約三倍に上った。このうち二百五十一件で被害者が死亡。今月二十日には佐賀県唐津市で男児が車にはねられ大けがを負った後、連れ去られ、約二キロ離れた場所に放置される事件も起きた。

 ひき逃げ(救護義務違反)の法定刑は、現在、「五年以下の懲役または五十万円以下の罰金」。二〇〇一年に、それまでの「三年以下の懲役または二十万円以下の罰金」から引き上げられたが、増加に歯止めは掛かっていない。

 悪質運転への批判の高まりを受け、〇一年には飲酒で正常な運転ができない状態で事故を起こした場合などに適用される危険運転致死傷罪が新設された。死亡時の最高刑は懲役二十年と重い。

 これに対し、業務上過失致死傷とひき逃げの併合罪は最高でも懲役七年六月だ。

 このため「全国交通事故遺族の会」(東京)は、「逃げて飲酒運転の立証を困難にし、危険運転致死傷罪の適用を免れる“逃げ得”が起きている」「卑劣な行為なのに罰則が軽すぎる」などと指摘。厳罰化を求める署名活動を続けている。

 警察庁は本年度、ひき逃げが増加している原因の詳細な分析や、厳罰化によりどの程度の抑止力が得られるかなどを検討する。「必要に応じて法務省とも協議していきたい」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060526/mng_____sya_____008.shtml