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2006年05月26日(金) 00時00分

【関連】違法行為 代償重く 信用失墜、経営に打撃も 東京新聞

 生命保険販売で違法行為をした損保ジャパンに対し、金融庁は主力の損害保険商品の販売を二週間、全店で停止するなどの厳しい処分に出た。これまでに違法行為が発覚した明治安田生命保険や消費者金融大手のアイフルなどは業績のダメージが大きく、コンプライアンス(法令順守)の不徹底を原因とする違法行為の代償は、損保ジャパンにも重くのしかかりそうだ。 (村松権主麿)

 「若干の修正が出るかもしれない」。金融庁の処分を受け、記者会見した損保ジャパンの平野浩志社長は、処分による業績への影響を、こう見通した。

 処分前日の二十四日、損保ジャパンが発表した二〇〇六年三月期連結決算は、最終利益が前期比30・2%増の六百七十三億円と過去最高を記録。〇七年三月期の予想では微増の六百八十億円を見込むが、「処分の影響は織り込んでいない」(同社)といい、大幅な下方修正の可能性も出てきた。

 ライバルの損保会社の幹部は「二週間とはいえ、全国で主力の損保を売れないのは相当痛いはず。特に、損保ジャパンの特約代理店は打撃が大きい」とみる。損保商品の販売が停止されるのは六月の二週間で昨年の同時期に獲得した正味収入保険料の三百四十億円が失われる計算。さらに重くのしかかるのが、信用失墜による顧客離れだ。

 違法行為が問題となった企業では、明治安田生命保険が昨年二月と十月の二度にわたり、生命保険金などの不当不払いで金融庁の処分を受けた。営業停止と信用失墜の影響で、同社の保険料収入は大幅に減少。今月二十九日に発表する三月期決算でも大幅の業績悪化が予想される。

 明治安田の不振は、法令順守が不徹底で不祥事を起こした企業の代償の大きさを象徴する。同じく金融庁から処分を受けた三井住友銀行やアイフルも、業績への逆風となるのは必至だ。

 金融庁が発表した損保ジャパンの検査結果は、顧客の名前の印鑑を大量に保有して無断で契約の継続処理をしていた実態などを列挙し、法令順守体制の抜本的な見直しと改善が必要とした。

 同社も再発防止のため、法令順守体制やコーポレートガバナンス(内部統制)強化を掲げ、約一万六千人のグループ社員のほか、六万店以上の代理店へ浸透を目指すが、傷ついた信頼の回復への道のりは厳しそうだ。

■ノルマ優先 不正が横行

 損保ジャパンでは、保険契約や募集など幅広い業務に、営業ノルマを達成するための違法行為がまん延していた。

 二百を超える営業拠点で、顧客名義の印鑑を大量に保有。無断で印鑑を使用し保険契約を継続するといった違法行為が二十三件発覚。顧客の意思を確認せずに保険申込書や保険金請求書などに押印した事例が約三千件あった。山口支店では金融庁の検査期間中に大量の印鑑を廃棄していた。

 生命保険の募集では、社員二百八十人が計四百三十一件の契約で、保険料の肩代わりや立て替えをしていた。

 香港では一九九九年、建設工事にかけられた賠償責任保険で、契約者である工事受注者の依頼を受け、本来の保険証券とは別に契約内容を広くみせかけたもう一つの証券を偽造、工事の発注者に発行していた。

 このほか、代理店契約を解除した店からも、損保ジャパンの顧客情報にアクセス可能な状態とするなど、個人情報の管理体制が不十分だった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20060526/mng_____kei_____005.shtml