2006年05月26日(金) 00時00分

「公務員だましやすい」　共済会事件（朝日新聞）

　公的団体を装って元公務員から多額の資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた住所不定、「福岡県退職公務員共済会」の元会長藤井徳次（６０）ら３被告の初公判が２５日、福岡地裁（林田宗一裁判長）であった。３被告とも起訴事実を認めた。検察側は、藤井被告が犯行を行う際、「公務員は外の世界を知らないからだましやすい。共済会を名乗れば公務員はすぐに信用する」と共犯者に話していたことを明らかにした。

　同罪に問われたのは、藤井被告のほか、藤井被告の長男で元同会課長佐々木徳明（３５）＝東京都港区＝、元同会次長柴田嘉麿（６３）＝遠賀町＝の両被告。

　検察側冒頭陳述によると、藤井被告らは公的団体を装って金をだまし取ろうと計画し、０５年６〜９月、県内の元地方公務員２人に対して、「元金が保証され、配当率も固定されています。元金が５００万円だと１０年間で６２０万円を受け取れます」などとうそを言って勧誘し、計約２千万円を銀行口座に振り込ませたとされる。

　藤井被告は同様の詐欺事件で懲役刑を受けて服役中に今回の犯行を計画し、０５年に出所した後、新聞に掲載された公務員の人事異動記事から退職公務員を調べ、電話帳で連絡先を探したという。

　藤井被告ら同会元幹部１５人は今年３月、被害者１２人から約８８００万円の損害賠償請求の訴えを起こされている。

http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000605260001