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2006年05月25日(木) 17時11分

宮内被告、堀江被告の公判で検察側証人に朝日新聞

 ライブドア(LD)の粉飾決算などを認めている前取締役・宮内亮治被告(38)が、夏にも開廷する予定のLD前社長・堀江貴文被告(33)の公判に、「検察側証人」として出廷する予定であることがわかった。堀江前社長の全面否認を崩すための、いわば「敵性証人」。堀江前社長を支えてLDの事業を躍進させた「側近中の側近」だったが、事件を機に決別した。「自分がしたことは自分で責任をとる」と話しているという。

保釈され東京拘置所を出る宮内亮治被告=3月17日

 宮内前取締役は1月23日に逮捕された後、東京地検特捜部の調べに対し、堀江前社長の了承を得て、LDの連結決算を粉飾したことを認めた。その供述は事件の核心とされる。堀江前社長が否認していると聞き、周囲にもらした。「何で素直に認めないのだろう」

 関係者によると、堀江前社長は04年5月、LD本社で開かれた取締役会で、同年9月期の連結決算に向けた業績予想の最終目標を50億円に上乗せするよう指示した。宮内前取締役らは、この目標達成のため、売り上げ計上が認められない自社株の売却収入を複雑な資金操作で還流させ、つじつまを合わせようとした。しかし、それだけでは目標に届かなかった。

 「これしか手がないが」。宮内前取締役がある提案をすると、堀江前社長は了承したという。提案とは、子会社2社への架空売り上げを計上する粉飾の手口だった。

 今年1月16日、特捜部が強制捜査に着手した際、前取締役は中国出張中だった。帰国直後、「疑われたのは私の落ち度。堀江は関係ない」とかばった。前社長を守ろうとする気持ちに偽りはなかった。

 だが、社内で会った前社長は、「自分は何も知らない」と繰り返す。その態度に接した宮内前取締役は「もうかばっても仕方ない」と感じたという。

 前取締役は99年7月、顧問税理士としてLDの前身「オン・ザ・エッヂ」の株式上場を勧めたことを機に、堀江前社長に請われて同社入りした。その後、急成長の源となる、企業合併・買収と株式分割の組み合わせで利益を生む手法は、前取締役が発案した。

 堀江前社長は、「利益を積め」と、担当部門の部下が実現不可能な数字を要求することがあったという。前取締役は、その要求に応えたり、時にはブレーキをかけたり、巧みに番頭役をこなした。関係者は「会社の事業を大きくしたという自負が、宮内氏にはあった」と話す。

 宮内前取締役は3月17日に保釈された時、堀江前社長の勾留(こうりゅう)が続き、保釈されないことを気遣った。しかし、「もう一緒に仕事はできないな」と話したという。

 26日の初公判で起訴事実を認める方針の前取締役は、横浜市内の自宅で、証拠開示された関係調書を読む生活を続けている。堀江前社長は他の被告と分離され、夏にも初公判が開かれる見通しだ。

http://www.asahi.com/national/update/0525/TKY200605250259.html