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2006年05月25日(木) 19時19分

農薬飛散に農家ピリピリ 29日から新制度朝日新聞

 食品衛生法の改正で、ほぼすべての農薬に残留量規制の網をかける「ポジティブリスト制度」が29日から始まる。消費者にとっては食の安全が徹底される半面、生産者側は実施を目前に対応に追われている。散布された農薬が別の農作物に知らぬ間に付着、基準値を上回ってしまえば出荷停止の事態にもなりうるからだ。県は生産者向けの補助制度を検討しており、周知徹底に懸命だ。(北村有樹子)

 四街道市大日の広谷一郎さん(58)はナシの生産農家。野菜農家と隣接しているため、3月から防薬ネットを使い始めた。さらに農薬散布機のノズルを切り替え、大きな粒子状で噴射されるものにした。

 広谷さんは、使用する農薬や散布時期についても、近隣の農家と情報交換するような取り組みが大切だと思っている。「(新制度は)生産者にとっては負担が大きいが、食の安全のためには対応せざるを得ない」

 「ポジティブリスト」とは、これまで基準がなかったものも含め、厚生労働省指定の65種を除くすべての農薬に残留基準値を設定する制度。

 世界には約800種の農薬があり、国内では約300種の農薬に残留基準が設けられていた。新制度では、すでに基準値があるものはそのまま適用され、残留基準値がなかったものについてはおおむね0・01ppmを基準にした。

 同省は「食品の安全性を一層高めることが狙い」と説明する。

 結果として、市場に出回る農産物は、より詳細な基準で残留農薬検査を受けることになる。そこで懸念されているのが、農薬の近隣農地への飛散だ。例えばリンゴに散布した農薬が飛散して隣の畑の野菜に降りかかり、知らぬ間に基準値を超えてしまっていた、と言うケースだ。

 そのまま市場に流通してしまえば、国や県の抜き打ち検査で出荷停止や回収命令に追い込まれることにもなりかねない。このため、県は自治体や農協を通じて制度の周知に乗り出し、これまで5万部のチラシを農家に配ってきた。

 県安全農業推進課は19日、千葉、習志野、八千代各市の担当者や生産者団体の代表者ら向けに研修会を開いた。都市部は畑同士が近接しており、県は「飛散する恐れが高い」と指摘する。

 県の担当者は農薬を散布する際の注意事項として、▽風向きや天候を考慮する▽飛散しにくい農薬に切り替える▽近隣農家に前もって知らせる——などをあげている。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000605250005