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2006年05月25日(木) 19時17分

塀の中に響く癒やしの歌声朝日新聞

 全国の刑務所を回っている女性デュオ「Paix2」(ペペ)が今月、佐世保市の佐世保刑務所で慰問コンサートを開いた。「受刑者のアイドル」とも呼ばれる2人は「『塀の中』で学んだことが私たちの支え。日常の幸せや思いやりの大切さを、外の世界にも発信したい」と語った。初回から5年半。2人の慰問は150回目を迎えた。(渡辺淳基)
 12日、佐世保刑務所の体育館は約700人の受刑者で埋まった。フォークギターの音色とともに2人の歌声が響く。
 ♪父がいて 母がいて 幸せってこうだよって 見せてくれます……
 涙を浮かべて聴き入る受刑者もいる。2人の慰問コンサートはこの日が149回目。17日、岐阜県笠松町の笠松刑務所で150回に達した。
 「Paix2」は、元看護師の井勝めぐみさん(30)と岡山大職員だった北尾真奈美さん(28)の2人組。いずれも鳥取県出身で、98年に地元の音楽祭で出会った。00年にCDデビュー。同年12月、一日署長を務めた地元警察署の勧めで、鳥取刑務所で初めてコンサートを開いた。
 受刑者たちは、刑務所の規則で歓声や手拍子を送れない。最後まで静まりかえったままだった。「つまらなかったかな」。落ち込む2人に後日、手紙が何通も届いた。「感動した。早く刑務所を出て、まじめに働きたい」。その時の思いが忘れられず、02年3月から慰問活動を本格化させた。
 犯罪の被害者から反発を受けないか。そんな心配をした時期もあったが、性犯罪の被害者や殺人事件の遺族からも「二度と罪を犯さないよう、生き方を変えてあげてほしい」と書かれた手紙が届くようになった。
 「被害者のことを考えると、ただ楽しませるだけのコンサートではだめ。受刑者が『早く塀の外に出て頑張ろう』と思うきっかけにしてもらいたい」。出所後、一般のコンサート会場に駆けつけてくれる元受刑者がいることが2人の励みだ。
 「Paix」はフランス語で「平和」の意味。「受刑者と接することで『平和な日常』がいかに大切かを学んだ。そのことを塀の中でも外でも、伝え続けたい」

http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000000605250001