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2006年05月25日(木) 18時23分

サービス分野で値上げの動き、コスト転嫁が中心ロイター

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 5月25日、テーマパークなどサービス分野で値上げに踏み切る動きが出てきた。企業は長期に渡りコスト増を価格転嫁できない状況にあったが、2006年度入り前後から変化が現れている。写真は東京ディズニーランドのミッキーマウス。2月撮影(2006年 ロイター/Yuriko Nakao)    [東京 25日 ロイター] テーマパークなどサービス分野で価格引き上げに踏み切る動きが出てきた。企業は長期に渡りコスト増を価格転嫁できない状況にあったが、2006年度入り前後から変化が現れている。ただ、現状はコスト増の転嫁の域を出ず、景気回復を受けた個人消費の強まりを確信した「強気」の値上げまでには至っていない。
 東京ディズニーランドと東京ディズニーシー、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのテーマパークは、相次いでチケット料金の値上げを発表した。いずれも、新しいアトラクション導入等によるコスト増の転嫁と説明している。
 ある大手の語学学校は、3月1日から授業料を5─10%値上げした。ただ、今回の値上げは過度に小さい収益幅是正のためで、人件費の上昇や景気回復とは関係ないと説明している。「CPI(消費者物価指数)等の主な経済指標は注視しているが、多少改善しても即値上げとはいかないだろう」(同校)とみている。
 サービス価格はCPIで約半分のウエートを占めており、CPIへの影響も大きい。4月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、前年比0.3%上昇となった。市場の予測を上回り、企業の価格決定力の回復鮮明化で、年度始めのサービス料金改定が久しぶりに上昇したという見方となった。エコノミストからは、26日発表の4月全国CPIも、東京に準じて強い数字になるとの声が出ている。
 購買力を測る雇用者の所得環境は改善している。民間調査機関の労務行政研究所の調べ
では、東証1部上場企業の今夏の一時金(ボーナス)は平均73万1259円で、前年同期比3.7%増と3年連続で前年同期比を上回った。
 一方、直近3月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は、1人平均で前年比0.2%減の28万2888円となり、2カ月ぶりの減少となった。残業代などの所定外給与は前年比1.9%増と44カ月連続で増加している。
 ただ、4月の景気ウォッチャー調査では、「原油価格の高騰がガソリン価格や電気・ガス代等に波及して、富裕層を除く個人の消費意欲を減退させている」(九州の百貨店)などの弱気なコメントが少なくない。三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏は、「個人消費も所得賃金状況も緩やかに良くなってきてはいるが、大きな改善というまでにはいっていない」とみている。
 <最近の価格見直し動向一覧>
●ファストフード
 ・マクドナルド:一部商品で価格引き上げを発表。「価値を高めるための投資に見合う対価を顧客にお願いした」(日本マクドナルド<2702.Q>)。今後は「時給の上昇がコスト上昇となり得るとの認識はある」。
 ・ケンタッキー・フライド・チキン:値上げ予定なし。「もともと低価格帯の商品がないため、特に年度始めなど節目を意識した値上げ予定はない」(日本ケンタッキー・フライド・チキン<9873.T>)。
●外食
 ・ワタミ:料理単価12.5%引き上げ。消費者嗜好を反映したもの。
 ・ロイヤルホスト:「景気回復で、ようやく財布のひもが緩んできた」(ロイヤルホールディングス<8179.T>)との認識で、昨年後半から戦略的に客単価を上げている。
 ・すかいらーく<8180.T>: 値上げの予定はない。「価格転嫁してこなかったのが、ファミリーレストランの歴史」との考え。
●テーマパーク
 ・東京ディズニーランドと東京ディズニーシー:9月1日より一部を除いて料金を200─300円値上げすると発表した。経営するオリエンタルランド<4661.T>では、大型のアトラクションやショップ、レストラン等の新規施設導入に伴うコスト負担の転嫁と説明している。
 ・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン:7月20日から一日券などを値上げ。値上げは2001年開園以来、初めて。
●嗜好品
 ・日本たばこ産業<2914.T>とフィリップモリスジャパンは、7月1日からの商品値上げを財務省に申請済み。両社ともに、たばこ税増税と成人識別自動販売機の導入にかかるコスト増を転嫁するものと説明。
●IT関連
 ・ヤフー!オークション:5月21日よりオークション落札システム利用料を3%から5%に引き上げ(一部のカテゴリー、オークションストアを除く)。新サービス導入や強化など「より利用しやすい環境を整える取り組みに伴うもの」(ヤフー<4689.T>)。
●教養娯楽
 ・語学学校大手のNOVA<4655.Q>は、3月に値上げ。
 ・歌舞伎座は、1等席の観劇料は300円程度引き上げ。「興行内容に沿った料金設定。景気回復などを背景とした料金引き上げではない」(松竹)。
●航空・空輸・旅行
 ・ANA<9202.T>:国際線運賃に燃油サーチャージ上乗せ。一時的な措置である燃油サーチャージは、原油高が一定水準まで沈静化すれば廃止することが決まっている。 他方で国内線は4月から運賃値上げ。「燃油価格高騰は一過性のものではなく、当面の間、市況が従来の水準に戻ることが見通せない」(ANA)などと説明。
 ・JAL<9205.T>:国際線運賃に燃油サーチャージを上乗せ。 国内線は燃油サーチャージを廃止、相当分を4月から運賃自体に組み込んで値上げした。様々なコストを背景に「総合的判断で行った」(JAL)としており、この先、原油価格が沈静化した場合の国内線運賃については「状況をみて判断したい」(同)としている。
 ・JTB:ツアー代金と別枠で燃油サーチャージを徴収。ツアー本体の価格は、前年と比べて「それほど大きく変わっていない」(JTB)という。
●教育・学習支援関連
 ・河合塾:医学部特別進学コースなどの新設コースでは、授業料を既存のコースより高めに設定した部分もある。サービス向上を図った人件費増を、授業料に転嫁した。
 ・慶応義塾大学:今年度の理工系1年生の学費は1万円引き上げ。人事院勧告やCPIなどを勘案して決める物価スライド制をとっているため。CPIが更に上昇すれば、来年度以降の授業料の押し上げ要因になり得る。
●オフィス賃料
 ・三鬼商事によると、都心5区のオフィス賃料は2004年10月に坪あたりの当面の底をつけて以降、上昇基調に入っている。2006年4月は1万8143円で3月から上昇、前年比でも2.9%上昇した。
(ロイター) - 5月25日18時23分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000732-reu-bus_all